内野二朗

内野二朗（うちの じろう）は、1927年6月27日に埼玉県狭山市で生まれ、2004年6月15日に亡くなった、日本の著名な音楽プロモーターです。彼は、キョードー東京を中核とするキョードーグループの創立者として、日本の音楽業界に多大な貢献をしました。

生い立ちと戦時中

内野は、貧しい家庭環境の中で育ち、小学校卒業後、陸軍航空士官学校付属の飛行機工場で働きながら、夜間の青年学校で中学校卒業資格を得ました。その後、海軍飛行予科練習生に合格しますが、戦況の悪化により人間魚雷「回天」の乗員として山口県の基地に配属されます。しかし、病気のため入院し、終戦を迎えることになります。

戦後の活動

戦後、内野は米軍基地で働きながら英語を学び、その後、経理担当者として勤務しました。その後、新々プロダクションに経理担当として入社し、この会社は後に協同企画と改称します。1959年には、ナイトクラブ「ニュー・ラテン・クォーター」のショー・プロデューサーとして才能を発揮しました。

キョードー東京の設立

1962年、内野は協同企画から独立し、汎芸能企画事務所を設立しました。この事務所は、後に協同企画エージェンシーを経て、1970年に株式会社キョードー東京となりました。1966年には、ビートルズの来日公演において、招聘交渉を永島達司が担当し、内野は現場の仕切り役を務めました。その後、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ、シカゴ、グランド・ファンク・レイルロード、エルトン・ジョンなど、多くの海外アーティストの来日公演を成功させました。また、1970年代中頃からは、日本のニューミュージック系のアーティストの興行も手掛けました。

その他の活動

1975年には、ニッポン放送にラジオ・チャリティー・ミュージックソンの企画を提案し、萩本欽一をメインパーソナリティとする24時間ラジオ番組を実現させました。1986年にキョードー東京の代表取締役を退任した後も、S.S.P.、オデッセー、ミュージックリーグなどの経営に携わりました。

晩年

晩年はチャリティ活動に力を入れ、アクト・アゲインスト・エイズの発起人代表を務めました。また、コンサートプロモーターズ協会の相談役など、業界団体の役職も務めました。2004年に亡くなるまで、ミュージックリーグの相談役として活動を続けました。

内野二朗は、戦後の日本の音楽業界の発展に大きく貢献した人物であり、その功績は今もなお語り継がれています。彼の情熱と行動力は、多くの人々に影響を与え、日本の音楽シーンの礎を築いたと言えるでしょう。

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