内閣総辞職

内閣総辞職とは

内閣総辞職（ないかくそうじしょく）とは、日本の内閣を構成する総理大臣および全ての国務大臣が同時に辞職することを指します。この制度は日本国憲法によって規定され、特定の条件が満たされた場合に実施されます。

日本国憲法における内閣総辞職

内閣総辞職に関する制度は、日本国憲法の下で明文化されています。憲法第69条では、衆議院で内閣不信任決議案が可決されるか、内閣信任決議案が否決された場合、10日以内に衆議院が解散されないときは自動的に内閣が総辞職することが求められます。この規定は議院内閣制の根幹を成し、内閣が議会の信任を必要とすることを示しています。

もし、内閣総理大臣が欠けた場合（たとえば死去や昏睡状態など）、憲法第70条に基づき総辞職が必要となります。内閣総理大臣の欠けた原因には、資格喪失や亡命などが含まれ、これらの事由が生じた場合、内閣はその責任を全うする自覚として総辞職しなければなりません。ただし、衆議院解散や任期満了による場合では、衆議院議員総選挙後の初めての国会召集時に総辞職します。

自発的な内閣総辞職

内閣総理大臣が自ら辞任することや、内閣自身が自発的に総辞職するケースも認められています。この場合、憲法第70条の「内閣総理大臣が欠けたとき」という定義に含まれるかどうかについては、様々な見解がありますが、一般には自発的辞職も含まれると考えられています。また、個々の国務大臣の異動があった場合でも、内閣の総辞職と呼ばれることが多いです。

内閣総辞職の手続き

総辞職が行われる場合、内閣は閣議で決定し、国会法に基づき両議院にその旨を通知します。新内閣が発足するまで、総辞職した内閣は職務を継続することができ、内閣総理大臣の任命は天皇の国会の指名に基づいて行われます。

内閣総辞職に伴い、全ての大臣だけでなく、副大臣や大臣政務官も同時に職を失います。これは内閣府設置法や国家行政組織法によって定められています。新しい内閣が誕生した際には、その構成員が任命され、国民へ説明責任を果たすことが求められます。

総辞職の歴史

内閣制度が始まって以来、内閣総辞職の慣行は時代と共に変化してきました。戦前期には必ずしも総理大臣の辞職と共に全大臣が辞職する慣例はなく、内閣の大臣たちが、そのまま留任することが多々ありました。しかし、戦後は制度が整備され、内閣総辞職は明確な手続きとして定められています。

結論

内閣総辞職は、内閣の信任を反映し、政治責任を果たす重要なプロセスです。憲法に基づき、様々な条件により行われるこの制度は、内閣が国会との信任関係を維持するための重要な仕組みであり、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索