写真 (Apple)

Apple 写真 アプリケーション

「写真」は、Appleが開発した写真管理および編集アプリケーションです。2014年9月17日にiOS 8の標準アプリとしてリリースされ、それまでの「カメラロール」に代わる存在となりました。その後、2015年4月8日にはOS X YosemiteのアップデートでMacユーザー向けにも提供が開始され、2016年9月13日にはtvOS 10にも対応しました。

歴史

Appleは2014年6月に、それまで提供していた「iPhoto」と「Aperture」という2つの写真アプリケーションを廃止し、新しい「写真」アプリに統合する計画を発表しました。そして、2015年4月8日にリリースされたOS X Yosemite 10.10.3に含まれる形で、「写真」アプリが無料アップデートとして提供されました。その後、2016年9月13日にはtvOS 10にも組み込まれ、Appleデバイス全体で利用可能なアプリとなりました。

特徴

「写真」アプリは、プロ向けの「Aperture」と比較して、よりシンプルで使いやすいインターフェースを目指して設計されています。初期バージョンでは、写真に付与された時間と場所のメタデータに基づいて「瞬間」ごとに写真が自動的に整理されていました。しかし、macOS Mojaveでリリースされたバージョン4.0以降は、写真の整理方法が年、月、日ごとに閲覧できる形式に変更され、より直感的な操作が可能になりました。

編集機能

「写真」アプリには、ワンクリックで自動的に写真のクオリティを向上させる機能をはじめ、高度な編集ツールが多数搭載されています。シンプルな操作で、写真の明るさ、コントラスト、彩度などを調整したり、フィルターを適用したりすることができます。

iCloudフォトライブラリ

「写真」アプリは、iCloudフォトライブラリと深く統合されており、ユーザーが指定したAppleデバイス間で写真やビデオをシームレスに同期することができます。編集内容やアルバム構造もデバイス間で共有され、どこからでも最新の状態で写真にアクセスできます。iCloudストレージは無料で5GBから始まり、最大2TBまでアップグレードが可能です。iCloudとの連携はオプションですが、従来の「iPhoto」と比較して、写真アプリの中核機能として重視されています。

プロフェッショナル印刷

以前のバージョンと同様に、「写真」アプリには、高品質な写真プリントを作成する機能がありました。オプションで、写真集やカレンダーなどの印刷物を作成し、指定の住所に配送することも可能でした。正方形サイズやパノラマ印刷など、新しいタイプの印刷オプションも追加されましたが、2018年7月にAppleはこれらのサービスを中止することを発表しました。ユーザーは2018年9月30日までに最終注文を行う必要がありました。

共有機能

「写真」アプリでは、iCloud写真共有機能を使って、他のユーザーと写真を共有できます。共有されたアルバムでは、他のユーザーが写真の閲覧、いいね、コメント、写真の追加などを行うことができます。その他、メールやSNS、AirDropなど、様々な方法で写真を共有できます。

批判点

「写真」アプリは、以前のバージョンと比較して機能が失われているという批判も多くあります。例えば、以前はイベントとして写真を整理できましたが、「写真」アプリでは自動的に時系列順に並べられた「モーメント」として表示されるか、自分で作成したアルバムに入れる必要がありました。また、アルバム内での自動並べ替えはできず、ユーザーがスマートアルバムを作成してルールを定義する必要がありました。

「Aperture」を愛用していたユーザーは、「写真」アプリに移行したことで、プロ向けの機能が失われたことに不満を感じています。また、OS X 10.11 El Capitanにアップグレードしたユーザーが、アップグレード前にiPhotoを最新バージョンにしていなかった場合、iPhotoが起動できなくなり、「写真」アプリを使うしか選択肢がなくなるという問題も発生しました。iPhotoはMac App Storeから削除されていたため、ユーザーは強制的に「写真」アプリを利用する必要に迫られました。

参照

Google Photos
darktable
* gThumb

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