OS X Yosemite:洗練されたデザインとiOSとのシームレスな連携を実現したMac OS
OS X Yosemiteは、
Apple社が開発したMacintoshコンピュータ向けの
オペレーティングシステムです。OS Xシリーズの11番目のメジャーバージョンであり、バージョン番号は10.10です。
2014年10月17日、OS X Mavericksの後継として
無料でリリースされました。
Yosemiteという名前は、アメリカ合衆国カリフォルニア州にある
ヨセミテ国立公園に由来しています。
2014年6月3日に開催されたWWDC 2014で発表され、同日より開発者向けにプレビュー版が提供されました。
システム要件
Yosemiteは、以下のMacモデルに対応していました。
iMac (Mid 2007以降)
MacBook (Late 2008アルミニウムモデル、またはEarly 2009以降)
MacBook Pro (Mid/Late 2007以降)
MacBook Air (Late 2008以降)
Mac mini (Early 2009以降)
Mac Pro (Early 2008以降)
Xserve (Early 2009)
これらのモデル以外では、Yosemiteへのアップグレードは不可能でした。
Yosemiteの主な特徴
Yosemiteでは、ユーザーインターフェースに大きな変更が加えられました。長年使用されてきたLucida GrandeからHelvetica Neueへのシステムフォント変更をはじめ、アプリケーションやシステム全体にフラットデザインが適用され、ウインドウの半透明化など、視覚的な刷新が行われました。これにより、よりモダンで洗練された見た目になりました。
iOSとの連携強化
Yosemiteでは、iOSデバイスとの連携機能が大きく強化されました。主な機能として、以下のものがあります。
電話: iPhoneと連携することで、Macから直接電話をかけたり、着信を受けたりすることが可能になりました。
SMS: iPhoneとMac間でSMSメッセージの送受信が可能になりました。
Handoff: MacとiOSデバイス間で作業をシームレスに引き継ぐことができます。例えば、iPhoneで書き始めたメールをMacで続きを書くことができます。
Instant Hotspot: iPhoneのパーソナルホットスポットをMacから簡単にオンオフできます。
AirDrop: MacとiOSデバイス間でファイルの共有が容易になりました。
新機能
Yosemiteでは、多くの新機能が追加されました。
Safari 8: バッテリー消費の削減と、共有リンク機能の改善が行われました。
Mail Drop: iCloudとの連携により、5GBまでの大きなファイルをメール添付せずに送信できるようになりました。
ファミリー共有: iTunes、iBooks、App Storeのコンテンツを家族間で最大6人まで共有できるようになりました。
iCloud Drive: iCloudと連携したクラウドストレージサービスです。従来のMobileMeのiDiskの後継サービスとして位置づけられます。
通知センター: 通知センターのデザインと機能が改善されました。
写真: 従来のiPhotoに代わる新しい写真管理アプリケーションが導入されました。
日本語入力: 従来の日本語入力システム「ことえり」が廃止され、新しい日本語入力システムが導入されました。
廃止された機能
Yosemiteでは、いくつかの機能が廃止されました。
X11: X Window Systemのサポートが終了しました。必要であれば、サードパーティ製のソフトウェアを利用する必要がありました。
セキュリティアップデートの終了
OS X Yosemiteのセキュリティアップデートは、2017年7月をもって終了しました。そのため、セキュリティ上の脆弱性を修正するためのアップデートは提供されなくなりました。セキュリティを維持するためには、より新しいバージョンのmacOSへのアップグレードが推奨されます。