Aperture

Apple Aperture：プロ写真家のためのmacOSデジタル写真管理・編集ソフトウェア

Apertureは、Apple社が開発・販売していたmacOS専用のデジタル写真管理・編集ソフトウェアです。2005年に発表され、高い機能性と洗練されたインターフェースでプロの写真家や上級ユーザーから高い評価を得ていました。

Appleの入門者向けデジタル写真管理ソフトウェアであるiPhotoとは異なり、ApertureはRAW画像を含む高度な画像編集機能を備えており、写真の現像、調整、管理を包括的に行うことが可能です。本格的な写真編集やワークフロー構築を必要とするユーザーにとって、強力なツールでした。

しかし、2014年にApple社はApertureの開発を中止することを発表。その後、2020年にはmacOS MojaveがApertureを実行できる最終バージョンであること、macOS Catalina以降のバージョンでは互換性が無いことが公式にアナウンスされました。現在では、新規ユーザーがApertureを使用することはできません。

バージョン履歴と機能強化

Apertureは、発売から開発中止まで、数々のアップデートが行われました。主なバージョンと、その特徴を以下にまとめます。

Aperture 1.0 (2005年11月30日発売): 初代バージョン。価格は52,000円でした。
Aperture 1.1 (2006年4月13日): Universal Binary対応。価格改定で34,000円となりました。動作には高性能なMacが必要とされました。
Aperture 1.5 (2006年9月25日): 日本語を含む多言語対応、ルーペ機能の強化、キャッシュ画像の保存によるHDD容量効率化など、多くの改良が加えられました。Intelプロセッサ搭載Macへの対応により、Mac miniなどでも利用可能になりました。
Aperture 1.5.x (2006年11月～2007年10月): マイナーアップデートによる安定性向上と機能追加が複数回行われました。Mac OS X v10.5 Leopard対応なども含まれます。
Aperture 2.0 (2008年2月12日): 多機能化と高速化を実現。価格は23,800円に改定されました。
Aperture 2.1 (2008年3月28日): パフォーマンスと安定性の向上、およびバグ修正などが行われました。
Aperture 3.0 (2010年2月9日): 200以上の新機能を追加。価格は19,800円となりました。
Aperture 3.6 (2014年10月16日): Mac App Storeで公開された最終バージョン。OS X Yosemiteに対応しました。

システム要件の高さと開発中止

Apertureは、高性能なハードウェアを必要とするソフトウェアでした。特に初期バージョンでは、最新のMacでなければ快適に動作させることが困難でした。このシステム要件の高さは、普及の妨げになった可能性があります。また、Apple社の戦略転換なども開発中止の要因として考えられます。

写真編集ソフトウェアとしてのAperture

Apertureは、単なる写真の管理ソフトウェアにとどまらず、強力な編集機能も備えていました。RAW現像、調整、レタッチなど、プロフェッショナルな写真編集に必要な機能が充実しており、多くの写真家が愛用していました。その直感的な操作性と高度な機能は、多くのプロの写真家にとって魅力的なものでした。

現在

Apertureは、macOS Catalina以降のOSでは動作しなくなりました。そのため、現在では新規ユーザーは利用することができません。しかし、Apertureで作成されたライブラリは、多くの写真家が大切に保管しており、その高度な機能とワークフローは、今も写真業界に影響を与え続けています。

類似ソフトウェア

Apertureの後継として、多くの写真家はAdobe Photoshop Lightroomなどのソフトウェアに移行しました。Lightroomは、Apertureと同様にRAW現像や高度な編集機能を備えており、クラウドとの連携など、Apertureにはない利点も数多く存在します。

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