写真家たちの日本紀行 〜未来に残したい情景〜

「キヤノンプレミアムアーカイブス 写真家たちの日本紀行～未来に残したい情景～（しゃしんかたちのにほんきこう～みらいにのこしたいじょうけい）」は、BSジャパンで2008年4月5日から2012年9月29日まで放送された紀行番組です。この番組は、カメラメーカーであるキヤノン株式会社の一社提供でした。

番組の核となるテーマは、「未来に残したい情景」です。毎回、日本国内の著名な写真家が一人、またはグループで登場し、日本の豊かな自然や歴史、人々の暮らしが生み出す情景を求めて各地を旅します。彼らは単に美しい風景を記録するだけでなく、自らの感性や経験を通して、その土地ならではの魅力や時間の流れを捉え、心に深く響く「至高の一枚」を撮影することを目指しました。

撮影活動には、番組スポンサーであるキヤノンの最新デジタル一眼レフカメラ、「EOSデジタルシリーズ」が用いられました。写真家がどのように機材を使い、どのような視点で被写体を捉えるのかといった点も、番組を通して紹介されました。撮影された写真作品は、番組の公式ウェブサイト上で公開され、その際には使用されたレンズの種類や絞り値（F値）、シャッタースピード、ISO感度といった詳細な撮影データも合わせて掲載されました。これにより、視聴者は単に写真を楽しむだけでなく、プロの写真家がどのように撮影に臨むのか、どのような設定で作品を生み出すのかといった技術的な側面についても具体的に学ぶことができました。

BSジャパンにおけるレギュラー放送は、毎週土曜日の19時30分から20時00分までの30分間でした。また、本放送の翌週土曜日14時00分から14時30分まで再放送が行われていました。これら定期的な放送枠に加え、特定の時期には過去の放送回をまとめて集中的に再放送する機会も設けられました。

レギュラー放送は2012年9月29日をもって終了しました。しかし、番組のコンセプトを引き継ぎ、その後も不定期に特別番組として放送される可能性が示唆されました。番組終了後、キヤノンの一社提供枠は、同じく写真や映像をテーマとしたBS朝日の番組『Hello!フォト☆ラバーズ 〜ミル・トル・アルク〜』へと移行しています。

番組のナレーションは、落ち着いた語り口で定評のある俳優の竹下景子氏が担当し、旅の情景に深みを与えました。テーマ音楽には、アルパ奏者である上松美香氏作曲の「光の記憶」が使用され、番組の雰囲気を優しく彩りました。

BSジャパンでの放送以外にも、年に数度、テレビ東京系列の6つの放送局（テレビ東京、テレビ北海道、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、TVQ九州放送）を結ぶ全国ネットワークで、一時間のスペシャル版が放送されました。これらのスペシャル版では、通常放送よりも時間を長く取り、特定の地域やテーマにさらに深く迫ることができました。レギュラー放送終了後の2013年12月21日と12月30日にも、特別編として一時間のスペシャル版が放送されるなど、単発での放送が実施されました。

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