冥王計画ゼオライマー (OVA)

『冥王計画ゼオライマー』

『冥王計画ゼオライマー』は、ちみもりをによる同名の漫画を原作としたロボットアニメのOVAです。この作品は、1988年から1990年にかけて制作され、全4巻で構成されています。監督は平野俊弘氏で、制作はAICが担当しました。このOVAは、ロボットアニメの先駆けとなる複数の作品の流れを汲んでおり、大銀河の戦いを描いたアニメとして多くのファンに愛されています。

概要

『冥王計画ゼオライマー』は、社会や人格に対して深いテーマを持ちながらも、ロボット同士の戦闘を中心に進むストーリーです。作品は、原作の18禁要素をほぼ排除しつつも、その基本的な設定やキャラクターは忠実に再現されています。平野監督は、主人公マサトの葛藤や人格の変化、宿命への抗いを際立たせることに重点を置きつつ、敵勢力を中国風にアレンジしました。

ロボットにプロレスの要素を取り入れず、あくまで兵器としての存在感を重視した点が特徴的です。また、映像ソフトは東芝EMIから発売され、VHSやLDで複数回にわたり再販されています。特に、2008年には生誕20周年を記念してBlu-ray版も発売され、画質のリマスタリングが施されています。さらに、作品は『スーパーロボット大戦シリーズ』にも登場し、ガイデットキャラクターたちが新たな設定を与えられて再解釈されています。

ストーリー

物語の舞台は、コンピュータ業界で世界の70%のシェアを持つ多国籍企業、国際電脳です。この企業の背後には、秘密結社「鉄甲龍」が存在し、彼らは15年間の準備を経て、巨大ロボット群「八卦ロボ」を用いての世界征服を試みます。物語は、この結社の少女リーダー幽羅帝と、彼女の恋人である耐爬との関係が中心的な要素となります。

その初手として、日本政府の地下基地「ラスト・ガーディアン」が襲撃され、そこに、かつて「鉄甲龍」から脱走した天才科学者のクローンである少年、秋津マサトと謎めいた少女、氷室美久が最強の八卦ロボ「天のゼオライマー」に乗り込んで立ちはだかります。最初は戸惑いを見せるマサトですが、彼の人格が豹変することにより、ゼオライマーは圧倒的な力を発揮し、敵を一掃します。マサトは自分が亡き科学者マサキの複製であると気づくことになり、この事実が物語の重要な転換点となります。

登場人物

• - ### 秋津マサト

主人公であり、15歳の少年。穏やかで内気だった彼は、ゼオライマーに乗ることで冷酷さを発揮する異なる人格を持ちます。

• - ### 木原マサキ

マサトのもう一つの姿で、かつての天才科学者。自らの野望のために自身のクローンを作り出し、物語に深く関係しています。

• - ### 氷室美久

ゼオライマーのサブパイロットで、マサキが造り出したアンドロイド。彼女の存在なくしては、ゼオライマーの力は発揮できません。

• - ### 幽羅帝

鉄甲龍の長であり、耐爬と恋人関係。彼女の強い信念と情愛が物語に影響を与えます。

• - ### 耐爬

八卦ロボ「風のランスター」のパイロットで、幽羅帝の恋人。彼の存在が物語の悲劇性を高めます。

このように、『冥王計画ゼオライマー』は多彩なキャラクターと緻密なストーリーが組み合わさり、視聴者に深い印象を与える作品となっています。作品の描く道徳的矛盾や人間関係の複雑さは、今後も多くのファンに語り継がれることでしょう。また、ゲームとの連動や、関連書籍の出版によって、その世界観はさらに広がりを見せています。

もう一度検索