冬のロンド

『冬のロンド』：極北の国の恋物語

『冬のロンド』（Winter Rondo）は、2008年10月31日、DIVAより発売された18歳未満購入禁止指定のPC用美少女ゲームです。大手アダルトゲームメーカーから独立したプロデューサー、金杉肇が設立したブランドDIVAの第一作目ということもあり、話題となりました。

本作は、アニメソング歌手・奥井雅美が歌うオープニングテーマ「Melted Snow」が大きなセールスポイントの一つ。コミックマーケット74でのデモムービー公開や、体験版の配信など、発売前から高い注目を集めていました。

物語の舞台：ルミアウラ王国

舞台となるのは、一年を通して寒冷な気候が続く架空の北国、「ルミアウラ王国」。人口約30万人という小国で、木材生産が主な産業となっています。電気やガス、水道といった現代的なインフラが整っていない、独特の文化を持つ国です。

生活様式も日本のそれとは大きく異なり、暖房には薪が用いられ、入浴はサウナ風呂が一般的。ルミアウラ語はギリシャ文字で表記され、王族は英米系の名前を持つなど、興味深い文化的な要素が散りばめられています。

物語のあらすじ：異国の王女たちとの生活

主人公の倉敷光は、仕事で世界中を転々とする父親の再婚をきっかけに、ルミアウラ王国へと移住することになります。父親の再婚相手はルミアウラ王族の女性で、光は義理の母と、その連れ子である四姉妹の王女たちと同居生活を送ることになります。

四姉妹は、王位継承権が低いため、城ではなく町の一軒家で質素な生活を送っています。日本とは全く異なる環境に戸惑う光ですが、優しく温かい四姉妹や町の人々の温かさ、そして、経済的な豊かさよりも大切な何かを学びながら、少しずつ新たな生活に慣れていきます。

しかし、光がある日、四姉妹に恋愛について話題を振ると、彼女たちは口を揃えて「自分たちには関係ない」と言います。それは、彼女たちが王族として、いずれ祖国のために他国へ嫁ぐという宿命を背負っていたためです。

登場人物：個性豊かな王女たち

主人公の光をはじめ、5人の王女、そして周囲の人物たちはそれぞれに個性的なキャラクターで描かれています。

ヴィクトリア・ルミアウラ: 気高く生真面目な性格で、王族らしい思想の持ち主。しかし、朝は寝坊して「暴君」と化す一面も。
マリー・ルミアウラ: 明るくお転婆な長女。亡き父との約束を果たすべく、剣の腕を磨いています。
ダイアナ・ルミアウラ: 静かで物静かな性格。読書が大好きで、小説家になることを夢見ています。
グレース・ルミアウラ: 無邪気で甘えん坊な末っ子。洋裁が得意で、人形集めが趣味です。
* クリスティーナ・ルミアウラ: 王位継承権の高い第一王女。体は弱いが、美しい歌声を持つ。

このほか、光の父親や、学園の教師、クラスメイト、そしてヴィクトリアの婚約者など、様々な登場人物が物語を彩ります。

ゲームシステムと魅力

『冬のロンド』は、複数のヒロインとの恋愛ルートが楽しめる恋愛アドベンチャーゲームです。全27話の本編に加え、ヒロインごとのエンディング、そして全てのエンディングを閲覧後に出現するエキストラストーリーも用意されています。

5人のヒロインにはそれぞれ個別のボイスが用意されており、彼女たちの魅力をより深く堪能できます。美しい背景画や、奥井雅美さんをはじめとする豪華アーティストによる楽曲も、ゲームの世界観をさらに豊かに彩っています。

関連商品

ゲームの発売後には、主題歌を含むボーカルソングCD、小説版、そして美麗なイラストを収録したビジュアルガイドブックなどが発売され、多角的な展開を見せています。

まとめ

『冬のロンド』は、極北の国の美しい風景、個性豊かなキャラクターたち、そして感動的な物語が織りなす、魅力的な恋愛アドベンチャーゲームです。独特の世界観と、豪華なスタッフ陣によるクオリティの高い作品は、多くのプレイヤーを魅了しました。 奥井雅美さんをはじめとした豪華アーティストが手掛けた楽曲も大きな魅力となっています。 一度プレイすれば、その魅力にきっと引き込まれるでしょう。

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