冬木

冬木（ふゆき）

冬木は、東京都江東区の西部に位置する町名です。この記事では、その地理、歴史、そして現代の姿を詳細に解説します。

地理

冬木は深川地域に属し、北は平野、東は木場、南は富岡、西は深川と隣接しています。町域の北辺は仙台堀川、東辺は平久川に面しており、水辺に囲まれた地域であることがわかります。また、都道が北部と東部を十字に走り、地区南辺には首都高速道路が通っています。

河川

現在、冬木を流れる主な河川は以下の通りです。

仙台堀川：木更木橋・亀久橋が架かっています。
平久川：大和橋・鶴歩橋が架かっています。

かつては油堀川という川も存在していました。油堀川は、元禄12年（1699年）に開削された割堀で、隅田川から分流し、木場堀に注いでいました。川沿いには油問屋が多く、油堀河岸として賑わっていました。しかし、昭和49年（1974年）から埋め立てが始まり、首都高速9号線の開通により、その姿を消しました。現在は、高架下が遊歩道や駐車場、公園などとして利用されています。油堀川には、和倉橋・永居橋・下之橋・千鳥橋・富岡橋（俗に閻魔堂橋）という橋が架かっていました。（冬木には、和倉橋・永居橋・下之橋が架かっていました）また、川に沿って「一色河岸」「油堀河岸」「数矢河岸」がありました。

歴史

江東区一帯は、江戸時代までは東京湾のデルタ地帯であり、海面と小島が点在する地域でした。江戸初期からの埋め立てによって発展し、深川八郎右衛門らによって深川村が創立されました。

明暦の大火後、幕府は火事に強い町づくりを計画し、市街地の再開発と拡張を進めました。木場を永代島から現在の場所に移転させ、深川地区には武家屋敷や社寺を移しました。深川地区は、河川を利用した木材・倉庫業、米・油問屋の町として栄え、江戸市民の遊興地としても賑わいました。

冬木町の起立については、宝永2年（1705年）に材木商の冬木屋 上田彌平次政郷が幕府から木置場として下付された土地に、自身の屋号である「冬木」と名付けたのが始まりとされています。

材木商冬木屋

冬木屋は、初代 上田五郎右衛門直次が承応3年（1654年）に上州碓氷郡板鼻宿から江戸に出て、日本橋南茅場町で材木商を始めたのが起源です。三代目の上田彌平次政郷が深川に居を移し、その広大な屋敷を深川冬木町としました。

地名の由来

地名の由来は、上記のように材木商冬木屋に由来します。昭和15年(1940年)に周辺の町と合併し「深川冬木1丁目・2丁目」及び「和倉2丁目」となり、昭和16年(1941年)に「深川冬木町2丁目」と「深川和倉町2丁目」が合併し「深川冬木町」となりました。そして、昭和44年(1969年)に「冬木」へと改名されました。

世帯数と人口

2023年（令和5年）1月1日現在の世帯数は1,591世帯、人口は2,827人です。

学区

区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りです（2023年4月時点）。（省略）

交通

町域内に鉄道は通っていませんが、東京メトロ東西線門前仲町駅・木場駅、半蔵門線清澄白河駅が最寄り駅となります。また、都営バスが運行しており、首都高速9号深川線が利用できます。

事業所

2021年（令和3年）現在の事業所数は151、従業員数は3,102人です。

施設

冬木には、江東区立深川第二中学校、冬木町会館、武田堀公園、大和総研本社、日本聖公会聖救主教会などの施設があります。

まとめ

冬木は、江戸時代からの歴史を持つ町であり、材木商冬木屋にその名を由来します。かつては油堀川が流れ、木材・倉庫業で栄えた深川地区の一角として発展しました。現在では、住宅地として落ち着いた雰囲気を保ちつつ、交通の便も良く、暮らしやすい地域となっています。

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