冷たくしないで

エルヴィス・プレスリーの「冷たくしないで」（Don't Be Cruel）

エルヴィス・プレスリーが1956年に発表した楽曲「冷たくしないで」（原題: Don't Be Cruel）は、名実ともに彼の代表作の一つとなっています。この曲は、アメリカの音楽雑誌『ローリング・ストーン』によって選ばれた「オールタイム・グレイテスト・ソング500」（2004年版）でも197位にランクインしており、その影響力は現在も色あせることがありません。

曲の背景と制作

「冷たくしないで」は、エルヴィスの音楽を管理していた音楽出版社ヒル・アンド・レンジからもたらされた楽曲です。作詞作曲を手掛けたのは、オーティス・ブラックウェル。彼は、「恋にしびれて」や「心の届かぬラヴ・レター」、「破れたハートを売り物に（One Broken Heart for Sale）」など、数多くのヒット曲を生み出した著名なソングライターです。

レコーディングは1956年7月2日にニューヨークのRCAスタジオで行われ、同日のセッションでは「ハウンド・ドッグ」や「どっちみち俺のもの（Any Way You Want Me）」なども一緒に録音されました。創造的な環境の中で制作されたこの楽曲は、エルヴィスの力強いボーカルと斬新なリズム感によって、瞬く間に人気を博しました。

ヒットとその後の影響

同年の7月13日には、「冷たくしないで」は「ハウンド・ドッグ」とともに両A面シングルとしてリリースされ、瞬く間に大ヒットを記録します。ビルボードのポップチャート、R&Bチャート、カントリーチャートで1位を獲得し、さらに1956年の年間チャートでは2位を誇るなど、その人気は計り知れません（1位は「ハートブレイク・ホテル」）。この成功により、「冷たくしないで」はプラチナディスクに輝くこととなりました。

1984年には日本のアサヒビールのCMソングとしても使用され、そのメロディと歌詞は新たな形で多くの人々に愛され続けています。

カバー・バージョン

「冷たくしないで」は、エルヴィス・プレスリーの楽曲の中でも特に多くのカバーが行われており、さまざまなアーティストによって新たな解釈が加えられています。これにより、原曲の魅力が後世にも語り継がれることとなり、エルヴィス・プレスリーの音楽が時代を越えて影響を与え続けていることを証明しています。

「冷たくしないで」は、エルヴィス・プレスリーのキャリアにおいて重要なマイルストーンであり、今なお多くの人々に感動を与える楽曲です。

もう一度検索