凍河

映画『凍河』の概要

1976年、松竹が製作した映画『凍河』は、斎藤耕一監督の手による作品であり、五木寛之の同名小説を原作としています。この映画は、精神病院を舞台にしており、そこで繰り広げられる若い男と女性患者との純愛を描いています。特に、主演の中村雅俊と阿里葉子の演技がこのラブストーリーに深みを与えています。

あらすじ

物語は、精神病院に新たに勤務することになった青年、竜野努（中村雅俊）が主人公です。彼は、精神的苦痛を抱える若い女性患者・唐木道子（岡田茉莉子）と出会います。最初は戸惑いを隠せない竜野ですが、次第に彼女に惹かれていくことで、新しい感情を見出すようになります。このように彼らの間に育まれる愛情が、精神的な病を乗り越えようとする彼らの希望や変化を象徴しています。

物語は竜野の成長や挑戦を描きつつ、彼の兄である竜野一郎（石原裕次郎）や、友人たちとの関係も絡めて進行します。裕次郎が演じる実兄は、彼にとっての模範となる存在であり、作品に厚みを加えています。特に裕次郎にとって本作は実写映画としての遺作であり、彼の存在感は物語をより深いものにしています。

キャスト

• - 中村雅俊: 竜野努
• - 五十嵐淳子: 阿里葉子
• - 岡田茉莉子: 唐木道子
• - 原田美枝子: 高見沢ナツキ
• - 米倉斉加年: 朝田
• - 御木本伸介: 高橋医師
• - 緋多景子: じれっ亭ママ
• - 宮井えりな: 看護婦こずえ
• - 西尾三枝子: 薬剤師
• - 須賀不二男: 看護士石金
• - 岡田英次: 竹下晋助
• - 佐分利信: 高見沢順造
• - 石原裕次郎: 竜野一郎

このように、多彩なキャストが物語に花を添えており、特に女性キャストの演技が印象的です。

スタッフ

• - 監督: 斎藤耕一
• - 脚本: 石森史郎
• - 製作: 中川完治, 島津清
• - 撮影: 坂本典隆
• - 編集: 杉原よ志
• - 音楽: 青山八郎

映画『凍河』は、上記のスタッフの協力のもと制作され、視覚的にも音楽的にも優れた作品に仕上がっています。

併映作品

本作は、同時に『遺書 白い少女』という作品が併映されており、当時の観客に多様な体験を提供していました。

まとめ

『凍河』は、愛と希望が交錯する物語であり、特に精神病院という特殊な環境での恋愛を通して描かれる人間ドラマは共感を呼ぶものです。役者陣の素晴らしい演技と、斎藤監督の巧妙な演出が相まって、印象深い映画に仕上がっています。石原裕次郎の最後の作品としても知られており、彼のファンにとっても特別な意義を持つ作品と言えるでしょう。

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