凶器準備集合罪・凶器準備結集罪とは？意味をやさしく解説

凶器準備集合罪・凶器準備結集罪とは

凶器準備集合罪（きょうきじゅんびしゅうごうざい）と凶器準備結集罪（きょうきじゅんびけっしゅうざい）は、刑法に基づいた犯罪形態の一つです。これらの罪は、他者の生命、身体、財産に対して危険をもたらす行為を対象とし、特に暴力団や過激な団体による暴力行為の未然防止を目的にしています。1958年の法改正で新設され、公共の安全を守るために設けられました。

凶器準備集合罪の概要

この罪は、2人以上が他人に危害を加える目的で集合し、かつ凶器の準備がなされている、またはその準備が存在することを認識した場合に成立します（刑法208条の3第1項）。

凶器の定義

法的に「凶器」とは、殺傷能力を持つ器具のことを指します。この中で、「性質上の凶器」には拳銃が含まれ、「用法上の凶器」として斧や包丁が含まれます。具体例として、判例に基づいて、長さ1メートル程度の棒が集団の準備によって他人に危険を感じさせるものとして認定されたケースもあります。逆に、ダンプカーは、他人を殺す意志で準備しても、外見的に凶器として認識されない場合には、凶器とはみなされないことが示されています。

共同加害の目的

この罪が成立するためには、他者に害を加えることで共謀し、具体的な加害の対象が特定されなくても構いません。ただし、凶器を使用せずに他人の財産を侵害する窃盗や詐欺はこの罪には該当しません。判例では、仲間に対する攻撃への防御を目的とする行為もこの罪に含まれるとされています。

集合の概念

「集合」は、2人以上が共通の時間と場所に存在することを意味します。この概念には、あらかじめ集まった場所で凶器を準備し、共同で加害する目的がある場合も含まれます。つまり、凶器が存在している場所に集まる必要はなく、同一の場所で準備を知りつつ集団行動をすることも多くの判例で認められています。

法的罰則

この罪の法定刑は、最高で2年の懲役または30万円以下の罰金となっています。

凶器準備結集罪

これは、他の人たちを凶器を準備したり、その準備があることを知って意図的に集めた場合に適用されます（刑法208条の3第2項）。法的には、こちらの罪の罰則はより重く、最高3年の懲役が科せられます。

刑法総則との関連

この2つの罪は共同犯罪に関連しつつも、基本的には共犯の規定が適用されます。ただし、凶器準備集合罪については、共同正犯の規定は適用されません。また、結集罪に関して教唆が成立しない場合もあります。

凶器準備集合罪・凶器準備結集罪