出囃子 (お笑い)

出囃子とは

出囃子（でばやし）とは、お笑い演芸の現場で、芸人が舞台に登場する際に流れるテーマソングのことを指します。この言葉は、主に落語に由来しており、伝統的な出囃子のスタイルを引き継ぎつつ、現代のお笑いの世界でも広く定着しています。

出囃子の曲の選び方

出囃子に使用される曲は、演じる芸人が自分の好みに合わせたものを選ぶことが一般的です。昔の漫才師たちは、落語家と同様に三味線の伴奏を用いていました。例えば、中田ダイマル・ラケットの「拳」や、三人奴の「奴さん」など、伝統的な楽曲が使われていました。しかし、時代が進むにつれて、現代の芸人は主に音源を利用するようになり、洋楽やポップスといった多彩なジャンルが取り入れられるようになりました。

その先駆けとなったのは、中田カウス・ボタンがビートルズの楽曲を使用したことで、これにより他の芸人たちも続くようになりました。中には、特定のテーマ曲や芸名を意識してオリジナルの楽曲を製作する芸人もいるため、それぞれの出囃子には独自の個性が表れています。

出囃子の使い方

芸人によっては、特定の劇場を巡業する際、その場所ごとに出囃子を変えることがあります。また、その日のネタによって出囃子を替える芸人も存在し、例えば落語家の林家たい平がその一例です。このような工夫により、芸人はより観客を楽しませるための演出を行っています。

テレビ番組においても、特に「M-1グランプリ」のファイナリストが登場する際には、ファットボーイ・スリムの「Because we can」という楽曲が全出演者に共通の出囃子として流れるため、観客に強い印象を与えています。

出囃子の特例

特に面白いのは、芸人のきつねが披露する歌謡漫才です。彼らは自ら作成したオリジナルの出囃子「きつねコンコンブラザーズのテーマ」を使用しています。この歌では「歌って踊って朗らかに、ご陽気きつねが化けてでた、（アヨイショ）、きつねコンコンブラザーズ」という歌詞が特徴的で、彼らの個性を強く表現しています。

まとめ

出囃子は、舞台での演技を一層引き立てる重要な要素です。芸人ごとの選曲やスタイルの違いは、観客にとっても楽しみの一つであり、演芸の魅力を深めています。出囃子は、伝統を受け継ぎつつ現代の文化を反映する形で進化し続けています。

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