出来島 (新潟市)

出来島（できじま）

出来島は、新潟県新潟市中央区の一部を構成する町字です。行政区分としては、出来島一丁目、出来島二丁目、および大字出来島に分かれています。このうち、一丁目と二丁目は住居表示が実施されていますが、大字出来島は未実施区域となっています。郵便番号は950-0962です。

地理的に見ると、出来島は信濃川の下流、その右岸に形成された自然堤防の上に位置しています。周辺は、北から東回り順に新光町、東出来島、南出来島、網川原といった町字と隣接しています。

この地の歴史は古く、記録上の初見は寛永16年（1639年）に作成された横越島絵図に遡ります。江戸時代には既に「出来島新田」として存在しており、現在の出来島の区域は、この出来島新田の一部をその起源としています。

明治時代に入ると、行政区分の大きな再編が行われます。明治22年（1889年）4月1日の町村合併により、出来島新田の一部は鳥屋王村の大字「出来島新田」となりました。この名称は、大正12年（1923年）まで使われ続けます。その後、明治34年（1901年）11月1日には、再度合併により鳥屋野村の大字「出来島」となりました。昭和18年（1943年）5月3日には新潟市に編入され、その大字となります。そして、平成19年（2007年）4月1日には、新潟市が政令指定都市へ移行したことに伴い、中央区の一部である大字「出来島」となりました。

出来島からは、その後の発展や行政区分の細分化に伴い、いくつかの町字が分立しています。例えば、昭和57年（1982年）には東出来島（ひがしできじま）が、そして昭和60年（1985年）には南出来島（みなみできじま）が、それぞれ出来島の一部から独立して成立しました。これらの町字の名称からも、出来島が周辺地域の基盤であったことがうかがえます。

現在の出来島には、地域住民の生活を支える様々な施設や企業が見られます。金融機関としては、第四北越銀行の出来島中央支店と出来島支店、そして新潟信用金庫の出来島支店などがあります。また、立憲民主党新潟県連合の所在地でもあります。交通網としては、幹線道路である国道116号線が地域を横断しており、周辺地域とのアクセスが良好です。

人口や世帯数については、定期的に調査が行われています。例えば、平成30年（2018年）1月31日現在でも、その時点での正確な世帯数と人口が確認されています。教育面では、市立の小・中学校に通学する場合の学区が定められており、地域の子どもたちが通う学校が決まっています。

出来島は、信濃川の恵みを受けながら発展してきた歴史を持ち、江戸時代の新田開発から現代の都市の一部へと姿を変えてきました。自然堤防という地形的な特徴を持ちつつ、住宅地や商業施設、公共施設などが集積する、新潟市中央区の重要な地域の一つです。

参考文献

角川日本地名大辞典 編纂委員会『角川日本地名大辞典 15 新潟県』(株)角川書店、1989年10月8日。
『新潟歴史双書 8 新潟の地名と歴史』新潟市、2004年3月31日。

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