出版倫理協議会

出版倫理協議会について

出版倫理協議会（しゅっぱんりんりきょうぎかい）は、日本の出版業界における重要な自主規制団体です。この団体は1963年12月12日に設立され、設立当初から青少年の保護や育成に努めることを目的としています。設立に寄与したのは、日本雑誌協会、日本書籍出版協会、日本出版取次協会、そして日本出版物小売業組合全国連合会の4つの団体です。

背景と目的

日本が太平洋戦争に敗れた後、新たに制定された日本国憲法では「言論の自由」が保障され、これにより一般書籍に対する検閲が原則禁止されました。この結果、いわゆる「低俗出版物」が市場にあふれるようになり、これに対する啓発的な行動が求められるようになりました。その流れの中で、1950年代からは各都道府県が青少年の保護を目的とした条例を踏まえた出版物の規制を強化する動きを見せ始め、出版倫理協議会はその対応策として設立されました。

自主規制の取り組み

出版倫理協議会は設立以来、自主規制を通じて青少年を保護するために、さまざまな取り組みを進めてきました。1965年には、東京都の条例に基づき、不健全図書として指定された書籍についての自主規制方針を定めました。この規制により、年に5回、または連続して3回不健全図書に指定された雑誌は、特別な注文がなければ配本されないこととなりました。

さらに、1967年には他の県での有害図書に対しても「要注意取扱誌」の制度を導入しました。とりわけ、1991年には成人向け漫画に「成年コミック」マークの表示を求める自主規制が決定され、その後も1996年には成年向け雑誌に対してもマーク表示が行われました。2004年からは、コンビニエンスストアで売られる「グレーゾーン誌」に対して、立ち読みや内容確認を防ぐための「シール止め」措置を実施しました。

法律への姿勢

出版倫理協議会は、法律や条例による有害図書への規制強化には一貫して反対の立場をとっています。特に2010年に東京都で提案された「非実在青少年」に関する条例改正案に対しても明確に反対を表明しました。しかしながら、2011年4月には、改正条例の内容を認める自主規制を各出版社に求める方針を報じられることとなります。これには様々な視点から意義や批判が巻き起こりました。

まとめ

出版倫理協議会は、青少年保護の観点から、自主規制を通じて日本の出版文化を健全なものとするために不断の努力をしています。その取り組みは、出版業界全体において重要な役割を果たしており、今後も様々な規制や自律的な取り組みが進められることが期待されます。

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