出雲祝神社

出雲祝神社（いずもいわいじんじゃ）

埼玉県入間市不老川沿いに位置する出雲祝神社は、地域の信仰の中心であり、歴史的な背景を持つ神社です。本社には、天穂日命、天夷鳥命、兄多毛比命の三柱の神が祀られています。この神社は、武蔵国入間郡にあたる式内小社「出雲伊波比神社」の一つとして知られ、旧社格は村社です。

由緒

出雲祝神社の創建は、景行天皇の時代とされており、その年代は71年から130年頃とされます。日本武尊が東夷を征伐する際、小手指原に立ち寄り、そこに祭りを行ったことがこの神社の起源と伝えられています。また、天穂日命が東国から漂流してきた際に、当地に種を蒔いたことから「寄木の森」と称されるようになったとされます。大宝2年（702年）には本殿が再建され、その際の棟札には「伊波比」という文字が刻まれています。

棟札には、特に次のような文言が記されています：
「伊都毛伊波比再造 牟射志入間臣宇助 大寶二年壬寅九月廿九日」。江戸時代には「寄木宮」とも称されたこの神社は、明治2年から現在の社号「出雲祝神社」に固定されました。

社格

この神社は明治5年（1872年）に村社として認定されました。主祭神である天穂日命、天夷鳥命、兄多毛比命は、出雲国から移ってきた武蔵国の初代国造にあたります。これに加えて、配祀神として菅原道真や天照皇大神、大国主命なども祀られ、豊かな信仰の対象となっています。

境内社

出雲祝神社の境内にはいくつかの境内社があり、正面向かって右側には八雲神社が鎮座し、祭神には素戔嗚尊が祀られています。左側に位置する護国神社は高御魂命を主祭神としており、護国の英霊が合祀されています。

文化財

出雲祝神社は、多くの文化財を有しています。弘治3年（1557年）に発行された北条氏康の朱印状は、神社の棟別銭を免じたことを記した文書であり、当神社の歴史的な重要性を示すものです。また、天正19年には徳川家康が社領10石を寄進した際の朱印状も残されており、神社の歴史に厚みを与えています。

行事

出雲祝神社では、力量ある行事が行われており、特に本社例大祭は9月29日に開催されています。その他、八雲神社の例大祭は7月15日、護国神社の例大祭は5月5日に行われています。これらの行事は、地域の人々の信仰を集め、神社の重要性を再確認する機会となっています。

交通案内

出雲祝神社へのアクセスは、まず西武池袋線小手指駅で下車し、そこから西武バス「宮寺西」行きに乗ります。バス停「ＪＡ宮寺支店前」で降りた後、徒歩約10分で神社に到着します。訪れる際には、周辺の自然も楽しみながら、歴史ある神社を訪れてみてはいかがでしょうか。

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