函館の水族館構想

函館の水族館構想

函館市では、昭和初期から水族館の建設が望まれてきました。1951年に立待岬を候補地として「北海道立水族館」の誘致が行われましたが、最終的には室蘭市に決定。この水族館は1953年に開館し、他の候補地であった小樽市も1959年に水族館を開設することになります。

函館圏総合開発基本計画

1970年には函館圏総合開発基本計画の中に水族館の建設が含まれ、期待が高まります。1975年、函館青年会議所がミニ水族館を設置し、1979年には「水の中の生き物展」を開催し、地域の関心を引く努力が続きました。

湯川地区のマリンパーク構想

1987年、市は「湯の川マリンパーク」の計画を立て、熱帯植物園や多目的温泉施設を組み合わせた大型レクリエーション施設の構想を発表しました。1988年には調査委員会が設置され、建設の可能性が検討されましたが、同年7月には検討結果として敷地の狭さが理由で再考を求められました。1990年、当時の市長木戸浦隆一は、実施協力企業が集まらないことを理由にこの計画を断念すると発表しました。

第一次函館アクアコミュニティ構想

その後、1990年には緑の島における新たな水族館計画である「第一次函館アクアコミュニティ構想」が発表されました。1992年には具体的な内容も発表されましたが、バブル経済の崩壊の影響で運営企業の確保ができず、1995年にこの計画も頓挫します。

第二次構想とその課題

1997年には再度の「函館アクアコミュニティ構想」が立ち上げられ、函館市とコクドが基本協定を締結しました。計画には大観覧車といった構造物も含まれていましたが、景観問題や採算面での懸念が市議会で取り上げられ、最終的には2001年に建設が断念されました。当時、市は多くの新しい施設を運営しており、資金的な厳しさも影響しました。

海の生態科学館構想の進展

その後、水族館の規模を縮小した「海の生態科学館」の設計が計画されます。社会教育を重視し、民営での運営を模索しましたが、さまざまな意見もあり、最終的に2007年にはこのプロジェクトも断念されました。特に、北海道夕張市の財政破綻が影響した点が強調されます。

現状と市民の取り組み

24年現在、函館市では水族館の整備に関する具体的な計画は存在していませんが、2014年には函館市国際水産・海洋総合研究センターがオープンし、2015年には湯川町に「函館アリーナ」が完成しました。これらは水族館構想に代わる地域の発展の一環といえます。

近年では、2019年から函館朝市に「函館朝市ミニ水族館」が設置されるなど、地域の魅力を引き出す取り組みが続いています。2023年には、ミニ水族館の拡充も行われました。市民の中には2025年の道南EXPOを機に新たな水族館計画の議論が活発化しており、市と民間の協力が期待されています。

今後、函館市が水族館構想を再考するかどうかは注目されるところです。

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