函館市交通局9600形電車

函館市交通局9600形電車（らっくる号）

函館市交通局9600形電車は、2007年3月20日に営業運転を開始した函館市電の路面電車車両です。愛称は「らっくる号」。北海道初の超低床形電車であり、バリアフリーに配慮した設計が特徴です。

概要

9600形は、アルナ車両が開発したリトルダンサーシリーズのタイプC2。2車体連接式の全面低床車両です。床面高さは360mmと低く、補助スロープにより車椅子での乗降もスムーズに行えます。座席配置は、運転席右後部が2人掛け、その他はロングシート。一部座席は跳ね上げ式で、車椅子固定スペースとしても利用可能です。函館市交通局では「純国産初の2連接電車」と位置付けています。

車両デザイン

外観は、「冬をイメージしたスノーホワイト」をベースに、「函館山から見た夕暮れへ移ろうとする夜景と港まち函館をイメージするイブニングブルーパープル」を窓周りに配色。各車体に前後の扉があり、前扉は折戸、中扉は引戸です。

前面の行先表示器は、9603号まではオレンジ一色でしたが、9604号以降はフルカラーLEDとなり視認性が向上しました。

車内には液晶ディスプレイが設置され、駅名、運賃などの案内の他、過去には映像ソフトの上映も行われました。当初は車両ごとに異なるタイプのディスプレイが使用されていましたが、2020年以降は全車両で共通の2面液晶ディスプレイ式運賃表示器に更新されています。

運転室は、ツーハンドル式です。

製造年と製造車両

2007年：9601号（9601A, 9601B）
2010年：9602号
2013年：9603号
2018年：9604号
2023年：9605号

函館市交通事業経営計画に基づき、今後も4年ごとの増備が予定されています。

運用

9600形は、低床電車として時刻が固定されて運行されています。通常は本形式または8100形が使用され、時刻表にも明記されています。ただし、2020年4月29日から2021年4月1日までは、新型コロナウイルス感染症の影響により特別ダイヤで運行され、低床電車の運行時刻は要問い合わせとなっていました。

特別運行

2013年には、函館市電開通100周年記念行事「電車大行進」に9602号が参加。他の車両と全線を練り歩き、記念ステッカーが貼られました。

ラッピング

9600形は、様々な企業やイベントのラッピング電車としても活躍しています。

9601号：函館開港150周年記念、鉄道むすめ「松風かれん」、ICAS nimoca、転生したらスライムだった件
9602号：北海道新幹線H5系、GLAY凱旋野外ライブ、函館水道創設130年
9603号：劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』

近年では、9600形にも企業ラッピングが施されるようになり、街の景観を彩っています。

まとめ

函館市電9600形電車は、バリアフリーに配慮した快適な乗り心地に加え、様々なラッピングで函館の魅力を発信する役割も担っています。観光客にとっても地元住民にとっても、欠かせない存在となっています。

外部リンク
* 超低床電車9600形 - 函館市企業局交通部

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