函館市警察

函館市警察の歴史

函館市警察（はこだてしけいさつ）は、かつて北海道函館市で存在した自治体警察で、1948年に設立され、1954年に北海道警察に統合されて消滅しました。この警察機関の設立は、日本の占領期における軍国主義の解体と民主的改革の一環として位置づけられています。

設立背景

1945年8月、日本の敗戦後、GHQ（連合国軍総司令部）は日本国内の権力構造を見直し、中央集権的で強権的だった警察制度の改革を求めました。これにより、警察は市および人口5千人以上の町村には自治体警察を、5千人未満の町村には国家地方警察を設けることが決まりました。これを受けて、1948年1月1日に函館市警察署が設置されました。

同年、函館水上地区警察署が函館市警察署に合併されたことにより、函館市警察本部への改称が実施されました。これらの動きは、警察法が示した新しい警察制度の先駆けとして、全国的にも重要なものでした。

組織と機構

函館市警察は、設立当初から数つの部門に分かれており、総務、警備、経済防犯、外勤、交通などの課がありました。水上警察署が合併された後は、さらに組織が強化され、函館市警察本部の下に公安委員会、検査委員会、懲戒委員会等が設立され、業務が効率的に行える体制が整えられました。

• - 函館市警察本部（本部長：佐々木光男）
• - 総務部
• - 刑事部
• - 警備部

また、函館市警察署と水上警察署はそれぞれの役割を担い、地域に密着した警察業務を展開しました。各署の組織内では、捜査課や防犯課が設けられ、地域の安全確保に努めていました。

警察員の定員

函館市警察の警察吏員は、施行時において以下のように配置されていました。

• - 警視 1名
• - 警部 1名
• - 警部補 10名
• - 巡査部長 29名
• - 巡査 333名

これにより、地域の治安維持に必要な人材が確保されていました。

警察署の運営

函館市警察は、発足当初から合同庁舎を使用しており、道警察部時代の建物を引き継ぎながらも、新たに設置された国警函館地区方面本部と地区警察署も共同で使用する組織となっていました。警察署の庁舎は、次第に業務の拡大に伴って増築が行われ、市の予算を利用して新たな建物が建設されるなど、地域のニーズに基づく迅速な対応が求められました。

1952年には、函館市警察本部が函館市警察署の名称を「函館市中央警察署」に改め、さらに水上警察署を「函館市西警察署」とするなど、組織の整備とともに市民に対するサービス向上が試みられました。

統合と消滅

しかし、1954年の新警察法施行に伴い、自治体警察制度は廃止され、日本全国で統一した都道府県警察としての運営が求められることとなりました。その結果、函館市警察も廃止され、北海道警察に統合される形で、その歴史に幕を下ろしました。

こうして、函館市警察は短い期間ではありましたが、地域の治安維持に貢献した重要な存在であったと言えます。

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