函館新外環状道路

函館新外環状道路

函館新外環状道路は、北海道函館市を縦断する地域高規格道路です。計画では、函館市桔梗町を起点とし、同市古川町に至るおよそ15キロメートルの区間を結ぶ重要な路線として位置づけられています。現在、その一部区間は自動車専用道路として利用されており、函館都市圏の交通体系を支える役割を担っています。

建設の目的と期待される効果

この道路の建設は、主に函館都市圏の外側を結ぶ幹線道路である北海道道100号函館上磯線（通称：産業道路）で頻繁に発生する交通渋滞を緩和することを目指しています。また、道南地域の各方面へのアクセスを改善し、移動にかかる時間を短縮することも重要な目的の一つです。既に供用が始まっている区間では、特に2015年に赤川インターチェンジが開通したことにより、産業道路をはじめとする周辺道路の交通混雑が和らぎ、交通量が減少するなどの変化が見られ、地域の交通安全性の向上に貢献しています。

事業の区分と進捗状況

函館新外環状道路の整備計画は、二つの主要な区間に分けられています。

1. 空港道路:
この区間は、計画起点である函館市桔梗町から函館空港近くの函館市上湯川町までのおよそ10キロメートルにあたります。すでに供用が開始されており、地域高規格道路として、第1種第3級の構造規格で整備されています。設計速度は時速80キロメートルが想定されており、道路全体の幅員は暫定的に12.0メートル、最終的には20.5メートルとなる計画です。車線数は暫定2車線で運用されていますが、将来的な完成形では4車線となる予定で、各車線の幅は3.5メートルが確保されています。

2. 古川道路:
空港道路に続く区間で、函館市上湯川町から計画終点である函館市古川町までの約5キロメートルです。この区間は2000年度には調査区間として指定されましたが、現在のところ具体的な着工時期は未定となっています。

整備の歩み

函館新外環状道路の整備事業は、空港道路を中心に進められてきました。2007年度に空港道路区間が事業化され、2009年度には建設工事が開始されました。最初の区間として、函館インターチェンジ・ジャンクションと赤川インターチェンジの間が2015年3月14日に暫定2車線で開通しました。その後、交通量の増加に対応するため、2021年3月28日にはこの区間の4車線化が完了しました。同時に、赤川インターチェンジから函館空港インターチェンジまでの区間も暫定2車線で新たに供用が開始され、函館空港へのアクセス性が大きく向上しました。

まとめ

函館新外環状道路は、函館都市圏の交通課題解決と地域活性化に寄与する重要なインフラプロジェクトです。供用済みの空港道路は既に交通円滑化や安全性向上に効果を発揮しており、残る古川道路の整備が将来的に進むことで、更なる利便性の向上と広範な地域連携強化が期待されています。地域経済の活性化や観光振興においても、この道路の果たす役割は大きいと言えるでしょう。

もう一度検索