函館護国神社

函館護国神社

函館護国神社（はこだてごこくじんじゃ）は、北海道の函館市青柳町に位置する神社です。元々は「函館招魂社」として1869年に設立され、1939年に現在の名称に改名され、指定護国神社となりました。この神社は、主に官軍の戦士たちを慰霊するために建立され、その歴史は日本の近代史と深く結びついています。

歴史的背景

1869年5月、箱館戦争が終結したことを受け、新政府軍は大森浜に設けた戦死者の招魂祭を行い、その際に旧幕府軍の捕虜を利用して函館山麓に招魂場を造るよう命じました。これが函館護国神社の起源と言われています。初期は「函館招魂社」として親しまれ、具体的な鎮魂の目的を持った場所となりました。1939年には函館護国神社に改名され、その後も地域の崇敬を集め続けています。

戦後の1946年に、一時的に「潮見丘神社」と名付けられましたが、1955年に再び函館護国神社と名称を元に戻しました。近年では、特に縁結びの神社としても知られ、多くの人々が訪れています。

境内の見どころ

社殿は1942年に建築されており、その立派な造りは目を引きます。また、境内にはさまざまな記念碑があります。例えば、揮毫は清水谷公考による招魂場の碑があります。この碑は金兵衛が公共事業として引き揚げた亀石の一部を用いて造られているとされ、その重厚さが印象的です。

さらに、戦争の悲劇を忘れないために設置された橘鎮魂之碑もあります。この碑は1945年の函館空襲において沈没した駆逐艦・橘を慰霊するためのものです。また、官軍墓地もあり、ここには箱館戦争で戦死した約60基の官軍兵士の墓があります。

例祭の伝統

函館護国神社はその例祭も重要な行事です。最初に定められた例祭日は6月10日でしたが、1905年に5月6日に変更され、1913年からは現在の実施日である5月11日に定められています。この時期、函館の神社の中で最も賑やかで賑わう祭りとして人気がありました。特に、麓の蓬莱町遊郭では招魂社競馬が行われ、多くの人々が訪れたと伝えられています。

交通アクセス

函館護国神社は、函館市電の宝来町停留場からアクセスできる「護国神社坂」と呼ばれる坂を通れば徒歩圏内です。坂の下には高田屋嘉兵衛の立像があり、訪れる人々の目を楽しませています。神社を訪れる際には、城下町函館の歴史を感じる素晴らしいスポットとなっております。訪問者はその荘厳さと静かな雰囲気に包まれ、安らぎの時間を過ごすことができるでしょう。

函館護国神社は、その歴史的背景や文化的価値から、訪れる価値のある場所です。戦没者の慰霊を通して、現代に生きる私たちに深く考えさせる場所でもあります。

もう一度検索