切創

切創（せっそう）

切創とは、ガラスや刃物といった鋭利な物体によって生じた皮膚の損傷を指す医学用語であり、一般的には「切り傷」として知られています。切創は、創傷面が鋭く切断されている点が特徴で、周辺組織への挫滅（組織が押しつぶされること）が少ないことが特徴です。

切創の特徴

創傷面の形状: 鋭利な物で切断されたような、比較的滑らかな形状をしています。
挫滅の程度: 周囲組織への挫滅が少ないため、治癒が比較的早い傾向があります。
出血: 創傷の深さや範囲によって異なりますが、一般的に出血を伴います。
神経損傷: 深い切創の場合、神経が損傷される可能性があり、感覚異常や運動障害を引き起こすことがあります。

他の創傷との違い

切創と類似した創傷として、以下のようなものがあります。

刺創: 鋭利な物が突き刺さって生じる創傷で、創口は比較的小さいですが、深部に達することがあります。
割創: 鈍器などによって皮膚が裂けて生じる創傷で、創縁は不規則で、挫滅を伴います。
裂創: 皮膚が引き裂かれて生じる創傷で、割創と同様に創縁は不規則で、挫滅を伴います。

これらの創傷は、受傷原因や創傷面の形状、挫滅の程度などが異なります。

切創の治療

切創の治療は、創傷の深さや範囲、汚染の程度などによって異なります。基本的な治療としては、以下のようなものがあります。

1. 止血: 出血がある場合は、清潔なガーゼなどで圧迫止血を行います。
2. 洗浄: 創傷部位を清潔な水または生理食塩水で洗浄し、異物や細菌を取り除きます。
3. 消毒: 必要に応じて、消毒液で創傷部位を消毒します。
4. 縫合: 深い切創や出血が多い場合は、縫合が必要となることがあります。
5. 被覆: 創傷部位を適切な被覆材で保護し、感染を防ぎます。

注意点

切創を受傷した場合は、自己判断で治療せず、医療機関を受診することをお勧めします。
特に、深い切創や出血が多い場合、神経損傷の可能性がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

関連項目

刺創
割創
裂創
射創
咬創
掻創
縛創
褥瘡
礫創
銃創

外部リンク

切り傷 - 一般社団法人 日本創傷外科学会

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