切土

切土（きりど、cut）について

切土とは、特に高い地面や傾斜地の土砂を削り取って平坦な土地を作る工事のことを指します。これは、土工の一種であり、土地の形状を変える重要な手段です。切土の反対の概念として盛土があります。切土作業を行うことで、周辺の環境に合わせた土地の利用が可能になります。

切土と盛土の関係

山間部の道路建設において、切土と盛土はしばしば一体に行われます。具体的には、山際の高い部分を切土し、その削り取った土を利用して谷側に盛土を行う「片切り片盛り」と呼ばれる手法です。これにより、土砂の移動を最小限に抑え、コスト削減が図られます。また、盛土部分では地山の傾斜を階段状に掘削して、必要に応じて盛土を行います。これにより土のなじみを良くし、強度を高めることができます。

切土された斜面は「切土法面」とも呼ばれ、その形状によって地盤の安定性が左右されるため、適切な管理が必要です。たとえば、優れた地質条件がない場合や、地下水の影響を受けやすい場合には、地滑りや落石が発生するリスクがあります。

掘割の特徴と利用

切土の中でも、特に道路や鉄道などのインフラ建設においては「掘割」という技術が根付いています。これは、特定の部分を深く掘り下げ、その底にインフラを設置する方法です。掘割によって交差交通路との高低差をつけることができ、立体交差を実現しやすくなります。都市部では、掘割を使って騒音や日照権の問題を緩和することができるため、高速道路の設計においても積極的に採用されています。ロンドンのような都市では、鉄道を通すために掘割が多用されている例もあります。

掘割式道路の意義

都市高速道路の建設において、一般的には高架式が採用されますが、掘割式道路は環境問題を解決するための一つのアプローチとして注目されています。特に、騒音や排気ガスへの影響を軽減するために、地面を掘削して構造物を埋め込む方法が取られます。このような道路は、天井を開放した状態で設計されることが多く、周囲の環境にも配慮された構成になっています。

切土の管理と注意点

切土によって造成された地盤は、通常は強固ですが、特定の土質が存在すると滑りやすくなることがあります。そのため、切土法面の管理や監視が必要です。地山の不均質な性質や水分の影響を受けることで、崩壊や落石、地すべりといった問題が発生する可能性があります。これらのリスクを管理するためには、土質の分析や適切な設計が重要です。

まとめ

切土は、道路や鉄道などのインフラ建設において非常に重要な手法です。切土と盛土のバランスや、掘割の利用方法を考えることによって、より効率的で安全な土木工事が実現できるのです。将来的にも、持続可能な開発の一環として、さらに多様な技術革新が期待されます。

もう一度検索