刑事ヨロシク

刑事ヨロシク

『刑事ヨロシク』（けいじヨロシク）は、1982年5月16日から同年8月22日までの期間、毎週日曜日の20:00から20:55までTBSで放送された刑事をテーマにしたコメディードラマです。この作品は、ユーモアとバラエティに富んだ内容で、多くの視聴者の心を掴みました。

作品の概要

物語は、引き取り手がいなかった刑事たちが集まる特異な部隊「少年特捜班」にスポットを当てています。警視庁の喜多野警察署に勤務する原平太（通称ヨロシク）を中心に、彼らは非行に走る若者たちを救おうと奮闘します。作品全体を通して、当時の人気テレビ番組を巧みにモチーフにしたパロディが散りばめられ、観客を笑わせる工夫がなされています。

コメディ要素

本作の特徴は、特に主演のビートたけしが演じる原平太のほとんどのセリフがアドリブで構成されている点です。彼の日常や少年特捜班でのシーンでも、他の登場キャラクターのセリフがアドリブであることが多く、リハーサルなしで収録が進められていました。また、原平太が紹介する冒頭のコーナーでは、時事ネタを交えた漫談形式で視聴者に話しかけ、「と、いうわけで、刑事・ヨロシクッ!」というセリフで物語が始まります。これにより、一層の臨場感が生まれ、視聴者を引き込む要素となっています。

主要キャラクターと配役

• - 原平太（ヨロシク）: ビートたけし

主人公であり、警視総監賞や署長賞はゼロ。数々の始末書や謹慎処分を受けており、喜多野署の少年特捜班に回される。自宅では兄の家族に居候扱いされ、時折家庭内でのドタバタも描かれる。

• - 花井蘭子（コネコ）: 岸本加世子

柔道二段で発育不全、特捜班に志願してきたものの、強い意志を持つキャラクター。

• - 渋沢元吉（カラオケ）: ケーシー高峰

スナックでの張り込み中にカラオケに夢中になり、結果として犯人を逃がしてしまう。

• - 橋詰勝利（マックス）: 本間優二

元不良少年で、今なお暴力団と直接対決をする逞しい性格。

• - 田所勇太郎（チャンコ）: 三好鉄生

学生相撲を経験し、怪力を持つ刑事。

• - 西ツヤ（おつや）: 戸川純

暗い雰囲気で周囲を驚かせるお茶汲み員。

• - 神波巌（カシラ）: 梅宮辰夫

署内で問題行動を起こし、左遷される班長。

放送と反響

『刑事ヨロシク』は、ギャグやパロディを巧みに取り入れ、視聴者からの支持を集めました。若手刑事たちが繰り広げるドタバタ劇や、個性的なキャラクターたちの絡みは、コメディジャンルに新たな風を吹き込みました。また、作品の中では「このドラマは全くのフィクションであり登場する警察官の名称及び言動はすべて架空のものです」といったテロップが、ヨロシクの型破りな行動と共に挿入され、視聴者に笑いを提供しました。

配信とリリース

本作は1996年にVHSとして全5巻が販売され、2005年にはDVDもリリースされています。また、放送ライブラリーでは第1話を閲覧することが可能で、多くのファンに親しまれています。これにより、時代を超えて後世に受け継がれる名作としての位置づけをされています。

結びついて

『刑事ヨロシク』は、ただの刑事ドラマにとどまらず、コメディの新しいスタイルを提示した作品です。アドリブの楽しさ、パロディ的要素は今なお多くの人々に愛されており、日本のテレビドラマ史において特別な地位を築いています。

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