刑事犬カール

刑事犬カール（けいじけんカール）

「刑事犬カール」は、1977年から1978年にかけてTBS系列で放送された、子ども向けのテレビ刑事ドラマです。このシリーズは、毎週月曜日の夕方7時30分から8時までの間に全39話にわたって放送され、視聴者に多くの感動と楽しみを提供しました。

あらすじとキャラクター

主人公は婦警として活躍する高杉洋子（演：木之内みどり）で、彼女の頼もしい相棒は警察犬カールです。洋子とカールのコンビは、さまざまな事件を解決し、地域の安全を守ります。特に、カールの知恵と技術は視聴者から大きな注目を浴びました。彼らは時には緊張感溢れる場面で、時には心温まるエピソードを展開し、子どもたちの心をつかみました。

カールの俳優たち

カールを演じたのは主に4頭のジャーマン・シェパード犬で、メインの役割を果たしたのは「クラッフォー・オブ・ツカサドール」（通称ジル）です。彼はオーディションで選ばれ、同じく栃木県の「須藤警察犬訓練所」に所属する犬たちも含まれていました。このオーディションには約300頭が参加し、製作陣はその中からカールにふさわしい犬を選ぶために多くの時間をかけたそうです。

実際には、撮影時にはカールの代役を妹犬が、特定の動作を担当する兄弟犬たちが使われ、視聴者には一頭の犬として印象付けられました。このため、ある時には、某県警からカールの「種を譲ってほしい」という申し出があったほどです。その際、湯浅監督は困惑しながらも「品不足」と応じたといいます。

撮影の裏側

撮影中は、犬たちのストレスに配慮されながら進められましたが、メインのカールは時折ノイローゼになり、主演犬が体調を崩した際には妹犬が代役を果たすという一幕もありました。また、撮影現場は犬たちのための高級肉で厳重に管理されていた一方で、スタッフは質素な弁当を食べるというユーモラスな状況もありました。

「刑事犬カール」は、1981年には続編「刑事犬カールII」が制作され、同じくTBS系列で放送されました。この作品は新たな主人公を迎えつつも、カールの魅力を引き継ぎました。

影響と人気

本作はその後も再放送され、多くの視聴者に愛され続けました。「刑事犬」という言葉自体がこの番組に由来しているものの、一般的にはあまり使われない特殊な用語ですが、当時の若者たちには深く印象に残っています。さらに、TBS系列の「コメットさん」でもカールが出演することがあり、その人気を再確認する場面もありました。

「刑事犬カール」は、子どもたちに勇気や友情、そして正義の大切さを教える作品として、日本のテレビドラマ史に名を刻んでいます。放送から何十年も経つ今でも、そのストーリーとキャラクターは多くのファンに愛され続けています。

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