木之内みどり

木之内みどり：アイドルから女優へ、そして新たな人生へ

木之内みどり（1957年6月10日生まれ）は、1970年代を代表するアイドル歌手、女優として一世を風靡した人物です。北海道小樽市出身、9人兄弟の末っ子として育ちました。野口五郎さんの大ファンであった彼女は、15歳の時に日本テレビのオーディション番組で準優勝。その才能を見出された彼女は、高校1年生だった1973年、上京を果たします。

芸能界入りは日本テレビ「ゴールデンショー」のマスコットガールから。短い時間ながらも、その愛らしい姿は視聴者の心を掴み、問い合わせが殺到するほどの人気ぶりでした。1974年5月、シングル「めざめ」で歌手デビュー。「若草とのふれあい」というキャッチコピーと共に、キュートなルックスと歌声で人気を博します。レコード売上は伸び悩みましたが、ブロマイドは爆発的な人気を誇るという、珍しい現象も起こりました。

その後、ヘアートリートメントのCM出演で知名度をさらに上げ、1977年には映画『野球狂の詩』やテレビドラマ『刑事犬カール』などに出演。女優としても活躍の場を広げました。グラビアアイドルとしても人気を博し、『GORO』誌の表紙を6回も飾るなど、その人気は不動のものとなりました。特に1978年には3回も表紙を飾り、最後の表紙は引退後の10月12日号でした。

歌手としては、1977年発売の『刑事犬カール』主題歌「走れ風のように」、1978年発売の「横浜いれぶん」などがヒットしましたが、『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオ』への出演は叶いませんでした。

1978年9月、人気絶頂期に、ベーシストの後藤次利氏との交際が発覚。後藤氏のもとへ、全ての予定をキャンセルして渡米するなど、世間を騒がせる出来事が起こりました。帰国後、記者会見を開き、21歳で芸能界を引退することを発表しました。この突然の引退劇は、大きな衝撃を与えました。

引退後も、所属事務所の浅井企画とは良好な関係を維持し、カメラマンとして活動。所属タレントの宣材写真などを撮影していたそうです。後藤氏とは5年後の1983年に結婚するも、1987年に離婚。その後、1990年に俳優の竹中直人氏と再婚し、1男1女をもうけました。

音楽作品

木之内みどりは、数々のシングル、アルバムを発表しました。代表的なアルバムには『あした悪魔になあれ』（1974年）、『十八歳の今』（1975年）、『透明のスケッチ』（1976年）、『グッド・フィーリング』（1976年）、『硝子坂』（1977年）、『ジュ・テーム』（1977年）、『横浜いれぶん』（1978年）、『苦いルージュ』（1978年）などがあります。これらの作品には、阿久悠、三木たかし、筒美京平、松本隆など、日本の音楽史に名を刻むそうそうたる作曲家、作詞家が携わっています。楽曲は、当時流行していたアイドルソングから、バラエティ豊かなジャンルの楽曲まで幅広くカバーしています。また、多くの楽曲に、日本語詞だけでなく、英語やフランス語などの翻訳詞によるカバーも含まれています。

映画・テレビドラマ出演作品

女優としても活躍した木之内みどりは、数々のテレビドラマや映画に出演しました。代表的な作品として、テレビドラマ『私も燃えている』（1976年）、『前略おふくろ様2』（1976年）、『刑事犬カール』（1977年）、映画『野球狂の詩』（1977年）などがあります。これらの作品で、彼女はアイドル時代とは異なる魅力を発揮し、幅広い演技力で視聴者、観客を魅了しました。

結論

木之内みどりは、アイドル歌手として華々しいデビューを飾り、人気絶頂期に突然の引退という衝撃的な幕切れを迎えた、まさに時代の寵児でした。しかし、その後の女優業や私生活においても、持ち前の明るさと強さで、新たな人生を切り開いてきました。彼女の人生は、1970年代の日本芸能史において、独特の輝きを放ち続けています。彼女の功績は、多くのファンに長く記憶され続けるでしょう。

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