ローマ教皇庁

ローマ教皇庁についての詳細

ローマ教皇庁（Curia Romana）はカトリック教会の監視機関であり、教皇の指導の下で全世界のカトリック教会を統括する組織です。この機関は、使徒ペトロの継承者としての教会の役割を果たすために存在し、聖座としての地位を保持しています。教皇庁はバチカン市国を拠点としており、ここは国際法上の主権を有する国家としての機能を持っています。

かつて、教皇は広範な教皇領を持ち、世俗的な権力を行使する独立した国家のような存在でしたが、19世紀末のイタリア統一運動により、この領地を失いました。それでもなお、バチカン市国は教皇庁が管理する唯一の宗教国家と見なされており、そこで生活する国民は教会関係者に限られています。

また、教皇庁は歴史的には14世紀のアヴィニョン捕囚の間、南フランスのアヴィニョンに移転したこともあり、この時期は特に重要な転機とされています。

日本における呼称

日本において教皇庁は「教皇」と「法王」の呼称が混在していました。1981年、カトリック中央協議会はヨハネ・パウロ2世の来日を機に、公式に「教皇」という用語を使用することを決定しました。この決定は、教皇を世俗的な君主としての印象を与えないためのもので、教会の歴史的文献においても「教皇」が多く使われてきました。

しかし、日本政府は外交的な観点から、公式名称を「ローマ法王庁」とする方針を続けており、このためにメディアや公的機関との間で呼称の違いが存在しています。2019年には、教皇フランシスコの訪日に合わせて「教皇」という呼称が発表され、いくつかの主要メディアもこの名称に変更しました。

教皇庁の組織構成

2023年7月時点での教皇庁の組織は、多岐にわたる機関から成り立っています。主な組織は以下の通りです：

• - 国務省：教皇職のサポートを行い、バチカンの様々な機関を一元管理。現在の国務省長官はピエトロ・パロリン枢機卿です。
• - 外務局、外交官人事局：外交業務を扱う。

さらに、以下の省や委員会が特定の業務を担当しています：

• - 福音宣教省：世界の福音化や司教人事を扱う。
• - 教理省：教会の教義に関する業務。
• - 典礼秘跡省：典礼に関する業務。
• - 列聖省：列聖調査の運営。

法務機関や財務機関も設置され、教皇庁の運営を支えています。具体的には、使徒座署名院やローマ控訴院などの法的機関、財務評議会や監査室などの財務機関があります。

教皇庁は、その広範な業務を通じて、カトリック教会の教義と使命を全世界で推進し続けています。教皇のリーダーシップのもと、国際的にその影響力を発揮する重要な機関として認識されています。

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