初田牛駅

初田牛駅（はったうしえき）

初田牛駅は、かつて北海道根室市初田牛に位置していた、北海道旅客鉄道（JR北海道）根室本線（花咲線）の駅でした。2019年3月16日のダイヤ改正で、惜しまれつつも廃止されました。

歴史

1920年（大正9年）11月10日：鉄道省釧路本線（→根室本線）の厚床駅 - 西和田駅間延伸に伴い開業。
1944年（昭和19年）12月2日：駅舎改築。
1962年（昭和37年）12月9日：車扱貨物・集荷配達の取り扱いを廃止。
1964年（昭和39年）4月1日：業務委託駅に変更。
1971年（昭和46年）10月2日：貨物・荷物取扱いを廃止し、旅客駅となる。同時に無人化。
1972年（昭和47年）4月：厚床駅まで通学する地元中学生のため、釧路行き貨物列車を臨時停車させ、車掌車に便乗しての乗客取り扱いを開始。これは、生徒たちが冬季に暖房のない駅で長時間待機していた状況を改善するために、教育委員会が働きかけた結果実現しました。
1977年（昭和52年）10月24日：駅舎改築竣工。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道（JR北海道）へ移管。
2018年（平成30年）10月29日：JR北海道が当駅を2019年3月のダイヤ改正で廃止する意向を根室市へ通達。
2019年（平成31年）3月16日：利用者減少に伴い廃止。

駅名の由来

駅名は地名に由来します。山田秀三によると、アイヌ語に由来する以下の2説があります。

1. 「ブドウ・採る・いつもする・ところ（川）」を表す「ハッタウㇱイ（hat-ta-us-i）」から。
2. 「淵が・ついている・もの（川）」を表す「ハッタㇻウㇱイ（hattar-us-i）」から。

山田は「hat-ta-us-i」説を支持しつつ、「和田牛（わったらうし）川」との混合があった可能性を指摘しています。

廃止当時の駅構造

単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。無人駅で、根室駅の管理下にありました。新吉野駅・姉別駅と同一形状の待合所がありました。

利用状況

（乗車人員の推移に関するデータは省略）

駅周辺

待合室は北海道道1127号初田牛厚床線から分岐する砂利道の先に位置していました。駅の裏には北海道道142号根室浜中釧路線付近へ至る道路がありましたが、渡線路などは設置されていませんでした。駅周辺は霧の発生が多い場所で、防霧保安林が設けられていました。

駅跡には、沿革などが記された記念看板が設置されています。

その他

根室フットパスのコース上にありました。
隣の駅は、厚床駅と別当賀駅でした。

初田牛駅は廃止されましたが、その歴史は地域の記憶に残り続けています。

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