初立池

初立池（はったちいけ）

初立池は、愛知県田原市にある豊川用水の調整池です。2010年には農林水産省のため池百選に選定されました。

概要

初立池は、独立行政法人水資源機構が管理する初立ダムによって作られた人造湖であり、正式名称は初立調整池といいます。水源である宇連ダムから約98キロメートル、豊川用水東部幹線路の末端に位置し、洪積台地の谷間に2つのダムを建設して貯水しています。有効貯水量は160万立方メートルで、渥美半島先端部に農業用水を供給する重要な役割を担っています。

渥美半島先端部のダムの周囲は、新しい堆積層で囲まれていますが、部分的に古い岩盤が残っており、ダムの構造を支えています。ダムの北側は変性玄武岩、南側はチャートと混成岩で構成されており、これらの岩盤を巧みに利用することで、安定したダム構造を実現しています。

豊川用水の建設時には各地で遺跡が発見されていますが、初立池でも1968年の初立ダム建設時に、主堤の南側で伊良湖東大寺瓦窯跡が発見されました。発掘調査の後、遺跡は現地で保存されています。

堤体

主堤

中心コア式アースダム。堤体正面にはキンメツゲによる文字が描かれています。

副堤

傾斜コア式アースダムで、堤高12.5メートル、堤長105メートル、体積32,000立方メートルです。

初立池公園

初立池周辺は「初立池公園」として整備されており、親水護岸や散策路が設けられています。春から初夏にかけてはサクラ、ハナショウブ、アジサイなどが咲き、訪れる人々の心を癒します。2008年には「美しい愛知づくり景観資源600選」にも選ばれました。

外部リンク

ダム便覧（財団法人日本ダム協会） 初立池
施設案内 初立池（初立ダム） （田原市）
初立池 （農林水産省）
ダム再生と鹿島 再開発事例 初立池 （鹿島建設株式会社）

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