初音ミク ベスト〜impacts〜

『初音ミク ベスト～impacts～』は、2009年8月26日にBinaryMixx Recordsから発売された、音声合成ソフト「初音ミク」の2周年を記念したベストアルバムです。このアルバムは、動画投稿サイト「ニコニコ動画」に投稿された楽曲の中から、特にリスナーの心に強く残る、インパクトのある楽曲を集めた点が特徴です。販売はソニー・ミュージックダイレクト（SMDR）が担当しました。

このアルバムは、SMDRとの共同企画で、同日には『初音ミク ベスト～memories～』もリリースされています。プレスリリースによると、両アルバム収録曲のニコニコ動画での再生回数は、当時3800万回を超えていたとされています。

アルバムのコンセプトは、「名曲の中でも、特に聴く者の潜在意識に働きかけるような、インパクトのある楽曲を集めた」というものです。初回生産限定盤は、初音ミクのキャラクターデザインを手がけたKEI氏による描き下ろしスペシャルボックス仕様で、同じくKEI氏によるピクチャーレーベルが採用されています。さらに、ジャケットイラストのポスターや、参加クリエイターの制作裏話が聞ける動画サイトへのアクセスシリアルナンバーが封入されるなど、豪華な内容となっています。

発売元はドワンゴ・エージー・エンタテインメント（d-AGE、当時）ですが、実質的にはSMDRから発売された作品として扱われており、ブックレットには問い合わせ先としてSME（ソニー・ミュージックエンタテインメント）の連絡先が記載されています。

収録曲は、OSTER projectによる「intro ～らんらんるー～」で始まり、ikaによる「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」、OSTER projectの「恋スルVOC@LOID」など、ニコニコ動画で人気を博した楽曲が多数収録されています。特に「恋スルVOC@LOID」は、初音ミクがユーザーに語りかけるような楽曲として、OSTER projectが初音ミク購入後最初に発表した曲です。

その他にも、19's Sound Factoryの「少し楽しくなる時報」、風見レンの「ハト」、supercellの「ブラック★ロックシューター」、Otomaniaによる「Ievan Polkka（Replica ver.）」、livetuneの「Last Night,Good Night」、ラマーズPの「ぽっぴっぽー」、アゴアニキの「方向音痴」、supercellの「恋は戦争」、麻太郎Pの「君をのせて」、minato(流星P)の「magnet」、dorikoの「ロミオとシンデレラ」、彩音 ～xion～の「サラリーマンのうた」、デッドボールPの「outro ～ふぅ、アリガト！ぺこり♪～」、そしてシンPの「卑怯戦隊うろたんだー」といった、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。

「Ievan Polkka（Replica ver.）」は、初音ミクブームの火付け役となった楽曲のカバーであり、また「君をのせて」は、スタジオジブリのアニメ映画『天空の城ラピュタ』の主題歌をアカペラでカバーしたものです。また、「magnet」は、ミクとルカのデュエット曲として人気を博しました。 「卑怯戦隊うろたんだー」は、MEIKO、KAITO、ミク、リン、レンのボーカロイドが参加したバージョンで、初期のボーカロイドファンには嬉しい一曲となっています。

このアルバムは、初音ミクの2年間を彩った楽曲をまとめたものであり、当時のニコニコ動画の音楽シーンを語る上で欠かせない一枚と言えるでしょう。

関連作品として、『初音ミク ベスト～memories～』、DVD作品である『初音ミクDVD～impacts～』『初音ミクDVD～memories～』、その他にもVOCALOID関連のベストアルバムなどが存在します。

もう一度検索