初音礼子

初音礼子（はつね れいこ）

初音礼子、本名小南艶子（こみなみ つやこ）は、1908年1月7日に兵庫県神戸市で生まれ、1987年4月15日に亡くなった日本の女優です。初期の芸名は初音麗子で、宝塚歌劇団において雪組の主演男役クラスの組長として知られています。その愛称は「キューピーさん」や「ムーヤン」と親しまれました。

来歴

礼子は松蔭高等女学校を中退し、1925年に宝塚歌劇団に入団し、芸能界でのキャリアをスタートさせます。彼女は14期生としての舞台デビューを果たし、初音麗子の名で活動を開始しました。1935年から1945年までに雪組の組長に就任し、その間多くの舞台に出演しましたが、終戦前後に退団しています。戦後は、主に喜劇映画に出演し、特に『ホームラン狂時代』や『カモとねぎ』などの作品が有名です。1952年には芸名を初音礼子に改名し、その後、宝塚新芸座にも招かれて座長として舞台に立つようになりました。

彼女は舞台やテレビドラマで典型的な浪花女の役柄を演じることで、多くのファンを魅了しました。1961年には実業家である小南覚次郎と結婚し、そのことが話題となりました。初音礼子は1987年に79歳で亡くなりましたが、2014年には宝塚歌劇の殿堂に名を刻まれ、最初の100人の一人として殿堂入りを果たしています。

主な出演作品

宝塚歌劇団時代

初音が宝塚歌劇団で出演した主な舞台には、次のような作品があります。

• - 玉蟲祈願（1930年）
• - 再生の感激（1932年）
• - ルーレット（1933年）
• - 兄彦弟彦（1933年）
• - 黒木御所／寶塚忠臣蔵（1936年）
• - 春のをどり／ブライア・ローズ（1937年）
• - 愛國大學生（1939年）
• - 草刈王子（1940年）

これらの作品を通じて彼女は多くのファンに支持されました。特に、雪組での役柄において、その存在感と演技力は際立っていました。

映画作品

初音礼子は数多くの映画にも出演しており、名作としては以下のようなものがあります。

• - 雪割草（1939年）
• - ホームラン狂時代（1949年）
• - 闇に光る眼（1950年）
• - 家庭の事情（1954年）
• - 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎（1981年）

彼女の映画における喜劇的な演技は、観客に楽しさを提供し続けました。特に、喜劇映画の分野で活躍したことで、初音の名は広まりました。

テレビドラマ

テレビでも活躍した初音礼子は、次のような作品に出演しました。

• - やりくりアパート（1958年 - 1960年）
• - 時間ですよ第1シリーズ（1970年）
• - 女系家族（1984年）
• - 特捜最前線（1985年）

その多彩な出演作品は、彼女のキャリアの幅広さを示しています。

最後に

初音礼子は、宝塚歌劇団の中でも特に輝いていた時代の一端を担いました。彼女の多才さと、栄光の軌跡を辿ることで、今でも多くの人々に愛される存在です。彼女の活動は、舞台芸術や映画の分野において、今後も語り継がれていくことでしょう。

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