別府‐島原地溝帯

別府-島原地溝帯

別府-島原地溝帯は、九州中部の別府湾から別府温泉地域、九重山、阿蘇山を経て島原半島に至る、東西約200km、幅20～30kmに及ぶ地溝帯です。この地域は、活火山の分布が密集しており、地震活動が非常に活発であることが特徴です。

地溝帯の構造と活断層

別府-島原地溝帯には、多数の活断層が分布しています。主な活断層としては、北側に位置する水縄断層帯、南側の布田川断層帯と日奈久断層帯、東側の別府-万年山断層帯、そして西側の雲仙断層群が挙げられます。これらの活断層は、東西方向に延びており、南北方向の引っ張る力によって正断層型の運動を起こします。また、一部の断層では右ずれ運動を伴うことも確認されています。

地溝帯の南西方向の延長線上には沖縄トラフが存在し、この海域でも浅い深度での正断層が観測されています。これらの構造は、広範囲な地殻変動がこの地域で発生していることを示唆しています。

地震活動の特徴

別府-島原地溝帯は、内陸型地震に対して警戒が必要な地域とされています。過去には、1596年に発生した慶長豊後地震が、別府湾の海底に延びる別府-万年山断層帯の活動によって引き起こされたと考えられています。この地震は、正断層型の活動によるものとされています。

また、2016年に発生した熊本地震では、布田川断層帯と日奈久断層帯が活動し、その影響は北東側の別府-万年山断層帯方面にも及びました。この誘発地震により、別府-島原地溝帯の広い範囲で地震活動が活発化しました。

これらの事例から、別府-島原地溝帯は複雑な地質構造を持ち、活断層が密集しているため、地震の発生リスクが高い地域であると言えます。今後の地震活動を監視し、適切な防災対策を講じることが重要です。

参考資料

岡田義光『日本の地震地図 南海トラフ・首都直下地震対応版』東京書籍、2014年
市原実「別府-島原地溝」、『アーバンクボタ』第39号、クボタ、2001年
松本征夫「別府-島原地溝」、『アーバンクボタ』第22号、クボタ、1984年
Handa, Shun (2005). "Electrical conductivity structures estimated by thin sheet inversion, with special attention to the Beppu-Shimabara graben in central Kyushu, Japan". Earth Planets Space

外部リンク

地震調査研究推進本部
熊本県の地震活動の特徴
* 大分県の地震活動の特徴

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