別所孫次郎

別所孫次郎の生涯

生い立ちと家系

別所孫次郎、またの名を友治は、江戸時代初期の武将であり、旗本としての地位を持っていました。彼は但馬八木城を治めていた別所重宗の養子であり、また一説には彼の甥とも言われています。別所家自体は播磨赤松氏の庶流にあたります。

重宗は豊臣秀吉の姉を妻に迎えたことで、豊臣政権における重要な位置を占め、但馬にて1万5000石を領有しました。孫次郎は、義理の兄である別所吉治の影響を受け、その家を受け継ぎました。吉治は秀吉の護衛を担っていましたが、慶長5年の関ヶ原の戦いにおいて西軍に与し、改易される運命にありました。その後、吉治は復帰するものの、孫次郎は次第に戦の中で名を上げていくことになります。

徳川家康への仕官

孫次郎はやがて徳川家康の家臣として仕官し、大和国内で2500石を領有しました。彼は慶長5年の関ヶ原の戦いや、大坂の陣にも参加しました。特に大坂の冬の陣では、徳川家康の命によって住吉に留守を守る役割を果たし、その戦績が評価されました。

1615年の大坂夏の陣では、「前軍一番」に参加し、道明寺の合戦では敵首級を十人も挙げる功績を残します。結果として、孫次郎は大久保忠隣に連座しての処罰を免れ、その後再び御家人として復帰します。彼は家康の死に際して、その忠義が称えられ、秀忠に仕えることを命じられます。この中で家康から特に評価されたのは孫次郎でした。

伊東治明殺害事件

1616年12月、孫次郎は自邸に伊東治明や桑山一直を招いて宴を催しました。しかし、酒の席での口論が原因で、事件はまさに悲劇的な結果に至ります。孫次郎の発言が伊東を刺激し、互いに口論が激化。最終的には、孫次郎が伊東を斬り殺すという事態となります。この一連の出来事は、第一に孫次郎の感情が高ぶったこと、また周囲の小姓たちが衝動的な行動を促したことが原因でした。

伊東家の従者がこの事件を知り、報告が入ると、孫次郎は即日切腹を命じられ、その家は改易されることとなります。事件の背景には、重厚な人間関係と酒の席でのトラブルがあったと見られます。さらに元々伊東家との関係も良好ではなかったため、事件は思わぬ広がりを見せ、双方の家が改易となりました。

最期とその後

孫次郎の死は、彼自身の命を賭けた忠義と同時に、より大きな力の中で翻弄された人生の象徴とも言えるでしょう。彼の評価は現在でも歴史書や逸話として残り、彼の業績や家族の運命は後世に語り継がれています。

別所孫次郎の生涯は、一つの時代の転換点であり、彼の行動は当時の人々に深い影響を及ぼしたことでしょう。また、彼の存命中に持っていた地位や名声は、その後の彼の名を歴史に残す一因となりました。

もう一度検索