伊東治明

伊東治明は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、旗本です。実父は金森長近とされています。

1608年（慶長13年）に徳川家康に仕え、2,500石を賜りました。1610年（慶長15年）には、豊臣秀頼の名代として徳川家康に年頭の挨拶をするという重要な役割を担いました。この出来事は『徳川実紀』にも記録されています。大坂の陣では、義兄弟である金森可重と共に、岸和田城主の小出吉英の援軍として戦いに参加しました。

しかし、1616年（元和2年）12月22日、別所孫次郎の邸宅で起こった喧嘩が原因で、別所の家臣によって斬殺されるという悲劇的な最期を遂げました。この時、仲裁に入った桑山一直も負傷しました。この事件により、長近の男系子孫は断絶することとなりました。

治明の血筋については、飛騨高山藩の3代藩主である金森重頼が、実は治明の子であるとする史料が存在します。金森長近は、実子たちが相次いで亡くなったため、血縁関係のない養子の金森可重に家督を継がせました。2代目の可重は、自身の実子ではなく、長近の血縁上の孫にあたる重頼を養子に迎え、家督を継がせたという複雑な経緯があります。この事実は、治明の血筋が金森家に深く関わっていた可能性を示唆しています。



参考文献

日本人名大辞典（講談社）
断家譜（伊東姓で表記され、治明表記はなく掃部某となっている。）

もう一度検索