利光松男

利光松男

利光松男（としみつ まつお、1923年11月23日 - 2004年11月8日）は、東京都出身の実業家です。日本航空（JAL）において、名誉顧問、相談役、そして代表取締役社長を歴任し、JALの発展に大きく貢献しました。また、一般社団法人日本航空協会の会長や、公益財団法人日本棋院の理事長も務めるなど、幅広い分野で活躍しました。その功績が認められ、勲二等旭日重光章を受章し、日本国際ツーリズム殿堂入りも果たしています。

経歴

1947年に上智大学経済学部経済学科を卒業後、1951年に日本航空の一期生として入社しました。特殊法人時代から一貫して日本航空の民営化を主張し、その過程で多くの困難を経験したとされています。

1977年 - 日本航空取締役
1981年 - 日本航空常務取締役。この年、教皇ヨハネ・パウロ2世が来日した際、カトリック信徒である利光がJAL団長を務めました。
1983年 - 旅行開発（現ジャルパック）社長
1985年 - 日航商事（現JALUX）社長
1987年 - 日本航空代表取締役副社長（民営化実現）
1990年 - 日本航空代表取締役社長
1995年 - 日本航空取締役相談役
1998年 - 日本航空の子会社役員
1999年 - 日本航空協会会長に就任（2004年11月まで）
2000年 - 日本棋院理事長
2004年4月 - 体調不良のため日本棋院理事長を退任
2004年11月8日 - 80歳で死去。葬儀では、兼子勲・日本航空会長が弔辞を述べました。警察の調べにより、自殺と推定されています。墓所は多磨霊園にあります。

青年時代

作家の遠藤周作との親交が深く、遠藤が生活に困窮していた時期には、住居の世話をするなど、経済的な支援を行っていました。二人の間には深い友情があったことが知られています。

晩年・死去

1999年には自宅に銃弾が打ち込まれる事件が発生しました。この事件以降、総会屋や暴力団などの反社会的勢力とJALとの関係を断ち切ろうとする利光の行動に対する報復を警戒し、2004年10月まで自宅は24時間体制で警察の警備を受けました。しかし、警備が解除された約1か月後、自宅で首を吊った状態で発見されました。

家族

養父は小田急電鉄の創業者である利光鶴松です。

趣味・特技

ゴルフ、歴史、小説、囲碁を好みました。

映画製作

スタジオジブリ制作のアニメーション映画『紅の豚』では、製作総指揮を務めました。

受賞歴

勲二等旭日重光章（2001年）
第2回日本国際ツーリズム殿堂入り（2008年）

利光松男は、日本航空の発展に尽力しただけでなく、文化・芸術の分野にも貢献した人物として、その名が記憶されています。

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