特殊法人

特殊法人（とくしゅほうじん）

特殊法人は、日本法において特定の法律に基づいて設立され、独立行政法人や認可法人、特別民間法人には該当しない法人のことを指します。2023年7月の時点で、国内には34の特殊法人が確認されています。この法人の設立は、法律や特別の法定に基づいて行われ、特に総務省設置法の適用を受けることが多いです。特に、独立行政法人（国立大学法人や日本司法支援センターも含む）は特殊法人から除外されています。

定義と特徴

特殊法人は、法令で特別に設立された法人であり、公団や公社、特殊銀行といったさまざまな形態を持ちます。これらの法人は、営利目的金に基づく市場原理では実施が難しい、もしくは不適切な事業を遂行するために設立されます。法人税や固定資産税の免除などの大きな特典を持つ一方で、事業計画の変更には国会の承認が必要であり、政治的意向に左右される事もしばしばです。

2000年代に入ると、特殊法人に対する批判が高まり、官僚の天下り先としての利用や非効率な業務運営が問題視されるようになりました。そのため、2006年には特殊法人等改革基本法が施行され、事業の廃止や整理、民営化などが進められました。特殊法人は、電子政府の運営においてgo.jpドメインを取得できる権利も備えていますが、特殊会社はこの権利を得ることはできません。

特殊法人の種類

現在運営中の特殊法人は、内閣府や各省庁が所管する特定の法人として存在しています。例えば、日本放送協会（NHK）は放送法に基づく特殊法人であり、日本中央競馬会（JRA）は農林水産省が所管しています。また、沖縄振興開発金融公庫などもその一例です。

過去に存在した特殊法人の中には、日本電信電話公社や国鉄（日本国有鉄道）、日本郵政公社があり、これらは民営化や再組織化が行われました。これらの変更により、国の役割やサービスの提供の仕方が大きく変わってきました。

特殊法人の動向

特殊法人は、1990年代以降に多くの改革が行われました。この改革の結果、数多くの特殊法人が独立行政法人へと転換され、その機能や目的が見直されています。例えば、宇宙開発事業団や国際協力事業団が独立行政法人に改組され、業務が効率化されました。

また、特殊法人の中には地方共同法人として再編されるものもあります。公営企業金融公庫は、地方公営企業等金融機構に業務が移管されました。

現在と未来

特殊法人は今後も日本の行政や公共サービスにおいて重要な役割を果たしていくことが期待されます。特に、近年の制度改革により、これらの法人はその目的や運営方法を柔軟に見直すことが求められています。行政効率を高め、透明性のある運営をするためには、特殊法人の役割を再定義し、国民のニーズにより応えられる形にしていくことが不可欠です。

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