利雁神社

利鴈神社（とかりじんじゃ）は、大阪府羽曳野市尺度に位置する神社です。かつては式内社として知られ、旧社格は村社でした。明治時代には富田林市宮町にある美具久留御魂神社に合祀され、同社の摂社となりましたが、その後、旧社地の尺度にも再び利鴈神社が再建されています。

祭神について

利鴈神社では、保食神、品陀別命、天児屋根命を祭神として祀っています。ただし、祭神については異説も存在し、『大日本史神祇志』や『地理志料』といった文献では、饒速日命の末裔である依羅氏の祖神を祀るとの記述が見られます。一方、『神社要録』では「祭神不詳」とされており、正確な祭神を特定するには更なる調査が必要とされています。

歴史

利鴈神社の創建に関する詳しい由緒は明らかになっていません。伝承によれば、元々は尺土村の西南に位置する利雁山に鎮座し、「王の宮」とも呼ばれていたそうです。延喜式神名帳には小社として記載されており、古くから朝廷の庇護を受けていたことが伺えます。しかし、天正年間の兵乱によって社殿が焼失してしまい、慶長17年に現在地へと遷座しました。

明治5年（1872年）には村社に列格されましたが、明治40年10月12日に、喜志村字宮（現在の富田林市宮町）に鎮座する美具久留御魂神社に合祀されることになりました。その後、再建時期は不明ですが、羽曳野市尺度の西方寺の西側に利雁神社が再建され、現在に至ります。

利鴈神社は、創建以来、地域の氏神として崇敬を集めてきました。合祀や再建といった歴史を経て、現在も地域の人々によって大切に守られています。

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