前田純敬

前田純敬（まえだ すみのり）

前田純敬は、1922年3月9日に鹿児島県平之町で生まれ、2004年2月10日に没した日本の小説家です。

経歴

東京外国語学校（現在の東京外国語大学）フランス語科を卒業。学生時代から詩作に励み、『四季』などの文芸雑誌に詩を発表していました。太平洋戦争後、作家の島尾敏雄の勧めにより、富士正晴らが主宰する同人誌『VIKING』に参加し、小説家としての道を歩み始めます。

1949年には、処女小説「夏草」が第22回芥川龍之介賞の候補作となり、『文藝春秋』に掲載され、注目を集めました。しかし、その後は作家活動を一時中断し、文芸同人誌『Cahier』に参加。小説以外にも翻訳を手がけるなど、幅広い分野で活動しました。放送作家の松本尚久（本名：和田尚久）は息子にあたります。

作品

小説

『練尾布由子』（1953年、三啓社）
『現代のマノン』（1955年、実業之日本社）
『深い靄』（1955年、新潮社）
『喪の女』（1985年、私家版）
『夏草』（2004年、高城書房）

翻訳

アンドレ・ジッド『田園の少女』（1951年、小峰書店、小学生文庫）
* エーリヒ・マリア・レマルク『凱旋門』（1953年、共和出版社）

前田純敬は、芥川賞候補となった「夏草」をはじめ、独自の文学世界を構築した小説家として知られています。また、フランス文学の翻訳を通じて、海外の文学作品を日本に紹介する役割も果たしました。

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