前畑造船

前畑造船株式会社について

前畑造船株式会社は、長崎県佐世保市に本社と造船所を構える、船舶の建造と修繕を専門とする企業です。1948年、戦艦「大和」の建造主任であった芳井一夫氏によって設立されました。創業当初は船舶の修理業務からスタートしましたが、1959年からは船舶の建造にも進出し、現在に至るまで多様な船舶を手掛けています。

事業内容

新造船事業では、内航タンカー、LPG運搬船、フェリー、漁業調査船、海上自衛隊の支援船など、幅広い種類の船舶を建造しています。特に、2007年には国内初のディーゼル電気推進船を建造するなど、技術力の高さが評価されています。修繕船事業では、1,600総トンまでの各種船舶の修理に対応しており、長年の経験と実績に基づいた高品質なサービスを提供しています。

技術力

前畑造船は、技術開発にも積極的に取り組んでおり、ディーゼル電気推進船の分野では先駆的な役割を果たしています。国土交通省から舶用内燃機関サービス・ステーション（SS）の証明を受けており、高い技術力を有していることが伺えます。また、環境に配慮した船舶の開発にも注力しており、省エネルギー化や排出ガス低減技術の開発を進めています。

主要設備

前畑造船は、以下の主要設備を備えています。

第2船台: 50m×10m、上架能力 500GT
第3船台: 80m×15m、上架能力 1,300GT
浮ドック: 80m×17m、最大浮揚能力 2,000t、入渠最大船舶 1,600GT
ジブクレーン: 5基

かつては第1船台（40m×6m、上架能力 150GT）がありましたが、2022年3月に廃止され、艤装工場が新設されました。

沿革

1948年: 芳井一夫氏が（株）前畑鉄工所を設立。その後、前畑造船鉄工（株）に改称し、船舶の修理を開始。
1957年: 運輸省から500t以上の船舶の造修許可を取得。
1959年: 作業船やバージの建造を開始。
1961年: 最初の小型タンカーと貨物船が完成。
1962年: 最初の旅客船が完成。
1972年: 大型まき網漁船の建造を開始。
1986-87年: 第1-3船台を改築し、900GTまでの建造許可を取得。
1988年: 最初のケミカルタンカーが完成。
1989年: 最初の海上自衛隊支援船が完成。
1993年: 前畑造船（株）に改称。
1994年: 浮揚力2,000tの浮ドックを設置。
2007年:
第3船台を改築し、999GTまでの建造許可を取得。
初のディーゼル電気推進内航石油タンカー「なでしこ丸」を建造。
2013年: 第3船台の許可を1,300GTに拡張。
2022年: 第1船台を廃止し、艤装工場を新設。

まとめ

前畑造船株式会社は、長年の歴史と実績を持つ造船会社であり、技術力と革新性で業界をリードしています。今後も、高品質な船舶の建造と修理を通じて、社会に貢献していくことが期待されます。


前畑造船株式会社

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