剥製 (アルバム)

Plastic Tree - 剥製 (2015)

『剥製』は、Plastic Treeが2015年12月23日に発表した13枚目のオリジナルアルバムです。前作『インク』から約3年ぶり、ミニアルバム『echo』からは約1年9ヶ月ぶりのリリースとなりました。

概要

CDジャケットのデザインは、先行シングル『マイム』、『スロウ』、『落花』に引き続き、アニメーション作家の劇団イヌカレーの泥犬氏が担当しています。

アルバムは初回限定盤と通常盤の2形態で発売され、CDの収録内容は共通です。初回限定盤は、泥犬氏監修のメンバーフォトブック、歌詞やアートワークで構成された80ページのスペシャルブックレット、塗り絵が付属した豪華装丁BOX仕様となっています。通常盤は初回プレス分のみピクチャーレーベル仕様です。

メンバー4人がそれぞれ作詞・作曲を手がけた楽曲が多く収録されており、曲調は多岐にわたります。しかし、Plastic Treeらしさを意識した統一感があり、バンドの個性が際立つアルバムに仕上がっています。

アルバムタイトル『剥製』には、存在証明として現在のバンドの姿を残すという意味が込められています。ベーシストの長谷川正氏は、「剥製」の“生き物だけど生き物ではない”というニュアンスが、バンド名Plastic Treeにも通じるところがあると語っています。

また、本作はPlastic Treeとして初めてハイレゾ配信も行われました。

2017年10月25日には、ビクターエンタテインメントレーベルから再発盤が発売されています（収録内容は通常盤と同一）。

収録曲について

収録曲は全タイプ共通で、全曲Plastic Treeが編曲を担当しています。

○生物
アルバムの導入となるインストゥルメンタル曲で、サブタイトル的な位置づけです。アルバム最後の「●静物」と対になっており、「生き物が静かな物体（剥製）になる」過程を表現しています。
フラスコ
ナカヤマアキラ氏作詞・作曲。開放的なバンドサウンドにエレクトロニクスが重なり、独特な歌詞世界が展開される楽曲です。
マイム
有村竜太朗氏作詞、長谷川正氏作曲の35thシングル。ライブでも盛り上がる、Plastic Treeを代表する楽曲です。
ハシエンダ
長谷川正氏作詞・作曲。パンクの要素を取り入れた豪快な楽曲で、タイトルはイギリスのクラブ「ハシエンダ」に由来します。長谷川氏の音楽的ルーツへのオマージュが込められています。
告白
佐藤ケンケン氏作詞・作曲。悲しみを象徴する歌詞が印象的な楽曲で、悲しい出来事を集約した言葉として「告白」というタイトルが付けられました。
インソムニアブルース
長谷川正氏作詞・作曲。1990年代のマンチェスターシーンをイメージした楽曲で、生楽器と電子音を組み合わせたサウンドが特徴です。
float
佐藤ケンケン氏作詞、長谷川正氏作曲。浮遊感のある楽曲を目指して制作されました。
落花
有村竜太朗氏作詞、長谷川正氏作曲の37thシングル。TOKYO MXの番組『ディープJルーム』のオープニングテーマに起用されました。
スラッシングパンプキン・デスマーチ
ナカヤマアキラ氏作詞・作曲。電子音を取り入れた狂騒曲で、正義の味方であろうとする主人公が、過激な手段に走ってしまう姿を描いています。
スロウ
有村竜太朗氏作詞・作曲、長谷川正氏も作曲に参加した36thシングル。アルバムの流れの中で、狂騒から一転してスローテンポな楽曲が映える構成となっています。
剥製
有村竜太朗氏作詞・作曲。アルバムのラストを飾る楽曲で、沈み込むようなメランコリックな雰囲気が特徴です。当初は収録予定ではありませんでしたが、長谷川氏の提案により収録されました。
●静物
アルバムを締めくくるインストゥルメンタル曲で、1曲目の「○生物」と対をなしています。作品を閉じる役割を持つ、裏表紙のような楽曲です。

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