劇団朋友

劇団朋友：日本の演劇史に刻まれた足跡

劇団朋友は、日本の演劇界において長年にわたる歴史と実績を持つ劇団です。1954年の設立以来、数々の演劇作品を世に送り出し、多くの俳優を育成してきました。その歴史は、日本の演劇史における重要な一章を刻んでいます。本稿では、劇団朋友の歩み、所属俳優、関連団体などを詳細に解説します。

俳優座スタジオ劇団から独立へ

劇団朋友の前身は「劇団新人会」です。1954年、俳優座演劇研究所付属俳優養成所の卒業生たちが中心となり結成されました。同研究所の劇団養成所は、多くの著名な俳優を輩出したことで知られています。劇団新人会は、劇団仲間、劇団青年座、劇団三期会（現・東京演劇アンサンブル）と並ぶ、俳優座スタジオ劇団の一つとして、日本の演劇界に貢献しました。

しかし、劇団新人会は1960年代に内紛に見舞われます。小沢昭一氏らによって劇団俳優小劇場が結成され、劇団は分裂しました。その後も、1968年にはマスコミ部門が独立し、有限会社六芸社が設立されるなど、劇団を取り巻く状況は大きく変化していきます。1969年には、看板女優の退団や、中堅・若手団員10名の一斉退団という事態が発生し、翌年には劇団新人会は解散を余儀なくされました。

再編と発展：劇団朋友の誕生

解散から間もなく、1970年には長山藍子氏、山本學氏、前田昌明氏らによって「劇団新人会」が再結成されました。前田昌明氏が代表を務め、旗揚げ公演として『若い座標 教科書訴訟をめぐって』を上演。新生劇団は新たな道を歩み始めました。

そして1994年、劇団は「劇団朋友」と改名、小島敏彦氏が代表に就任。現在に至るまで、数々の演劇作品を制作・上演し、日本の演劇界に貢献し続けています。一方、前田昌明氏は再び「劇団新人会」を新たに発足させ、劇団朋友とは別に活動を展開しています。

映画放送部の設立と多角的な展開

2009年には映画放送部を設立し、活動領域をさらに拡大。演劇にとどまらず、映画制作にも取り組むなど、多角的な展開を見せています。これは、かつての劇団新人会が培ってきた経験を活かした取り組みと言えるでしょう。劇団朋友は、演劇のみならず、映画分野においても、日本のエンターテインメント業界に貢献しています。

所属俳優と関連団体

劇団朋友には多くの俳優が所属しており、男性、女性ともに幅広い世代の俳優が活躍しています。映画放送部にも所属俳優が多数在籍し、多様な才能が集まっていることがわかります。劇団朋友は、九プロダクションとも深い繋がりがあり、後者は劇団新人会の映画放送部を前身とする会社です。

まとめ

劇団朋友は、数々の困難を乗り越えながら、現在も日本の演劇界で重要な役割を果たしている劇団です。その歴史は、日本の演劇史を語る上で欠かすことのできないものです。今後も、多様な才能と創造性を活かし、多くの観客を魅了する作品を創り出し続けることが期待されます。

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