劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック!

劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック！

2016年8月6日に公開された『劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック！』は、人気特撮テレビドラマシリーズ「スーパー戦隊シリーズ」の『動物戦隊ジュウオウジャー』初の単独劇場版作品です。『劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間』と同時上映され、「超銀河サーカスファイト開幕！」と「ぶっちぎりの地球力！この星をなめるなよ！」のキャッチコピーが話題を呼びました。

作品概要

本作は、タイトル通りサーカスをテーマにしており、撮影にはポップサーカスが特別協力しています。当初は人間のサーカス団の設定でしたが、ジュウオウジャーの独自性を際立たせるため、監督の柴﨑貴行氏によってジューマンによるサーカス団という設定に変更されました。敵役ドミドルには、お笑いコンビ・平成ノブシコブシの吉村崇さんがゲスト出演し、一般公募による1,000人のエキストラも参加しています。

また、本作品オリジナルのメカとしてキューブコンドルとコンドルワイルドが登場し、テレビシリーズに登場したばかりのワイルドトウサイキングも活躍します。通常、1号ロボと追加戦士用ロボの合体形態は珍しいのですが、テレビでの登場が早かったため、本作でも登場が実現しました。追加戦士である門藤操/ジュウオウザワールドについては、撮影時点で味方になった後の脚本が未完成だったため、第19話・第20話の監督である中澤祥次郎氏と共にキャラクターの詰めが行われました。ジュウオウザワールドのスーツアクターが負傷降板したため、ジュウオウイーグル役の浅井宏輔さんが代役を務めたというエピソードもあります。

40作記念作品ということもあり、過去39戦隊に関する要素が随所に散りばめられています。これは、監督の柴﨑氏が美術スタッフと協力して独自に行ったもので、何度も鑑賞することで新しい発見があるという、ファン向けの仕掛けとなっています。

あらすじ

人間界で暮らすジューマンたちが結成したサーカス団「ワールドアニマルサーカス」のショーを見に来た大和たち。セラたちジューマンは同胞が元気な姿に大喜びします。しかし、地球をサーカス会場にしようと企む宇宙大大大大大サーカス団の団長ドミドルが現れ、サーカス団と子供たちを連れ去ってしまいます。ジュウオウジャーはドミドルの野望を阻止するため、激しい戦いに身を投じることになります。

本作品のキャラクター

ペルル
コンドルのジューマンの子供で、ワールドアニマルサーカスの一員です。ジューマンたちがジューランドへ帰れなくなった後、人間界で生まれました。ジューランドのことはキューブコンドルの映像でしか知りません。両親は既に亡くなっています。Vシネマ『帰ってきた動物戦隊ジュウオウジャー お命頂戴!地球王者決定戦』にも登場します。当初は「大和が他のメンバーを助ける」というストーリーでしたが、監督と脚本家が「第三者をジュウオウジャーが助ける」という展開を提案し、ペルルが誕生しました。当初は宇宙人などが想定されていましたが、子供のジューマンの可愛らしさが話題となり、設定が変更されました。

ドミドル
宇宙大大大大大サーカス団の団長です。宇宙全体を自分好みのサーカスステージに変えようと企み、複数の惑星を破壊して玉乗りにしたり、恒星を並べ替えて火の輪くぐりに使うなど、星を思うがままにしています。常にテンションが高く「大大大大大」が口癖です。サジタリアークからメーバメダルを盗み、メーバを使役しています。シルクドウィップという鞭で動物を操り、人間態も披露します。子供たちの泣き声をエネルギーに変換し、地球を破壊しようとします。怪人態のデザインは篠原保さんが担当しました。モチーフはピエロのような顔やサーカス団長で、特に鼻と髭の処理に時間がかけられました。

ドミドル完全態
ドミドルが宇宙船フライングテント号と融合・巨大化した姿です。鞭となった両腕と砲台から放つナイフが武器です。デザインは篠原保さんが担当しました。当初はメリーゴーラウンドをモチーフにしていましたが、撮影の都合上、ドミドルの着ぐるみと宇宙船のミニチュアを組み合わせたデザインになりました。ムチの両腕は変わっていませんが、木馬をフィン状のパーツに変更し、メカ寄りのデザインとなっています。

戦力

キューブコンドル
コンドル型のジュウオウキューブです。キューブナンバーは0。ホログラムを見せる幻想の翼ビッグコンドルウイングが特徴です。首と翼の付け根にある銃口からビームを発射し、胴体両脇からはパンチ弾を発射します。強制合体用の光線も発射可能です。元々はペルルが所有していましたが、ドミドルの鞭で操られていました。コンドルワイルドの上半身を構成します。奪還後は、ワイルドトウサイキングが剣のように装備し、コンドルセイバーとなります。必殺技はコンドルジュウオウインフィニティです。テレビシリーズ本編には直接登場しませんが、ワイルドトウサイドデカキングの必殺技時に確認できます。幻を見せる能力は、テレビシリーズ第1話・第2話で使用したジューランドのミニチュアを活用することが前提でした。デザインはキューブイーグルから発想されましたが、ワシとタカの違いを出すのが難しいため、キューブゴリラの流用となりました。

コンドルワイルド
コンドル、タイガー、エレファントの3体が合体した姿です。ドミドルがキューブコンドルを操って強制合体し、ジュウオウキングを倒してジューマンのジュウオウジャーを捕らえました。背中に金色の光の翼を発生させて飛行できます。必殺技はコンドルロケットナックルです。後に『帰ってきた動物戦隊ジュウオウジャー お命頂戴!地球王者決定戦』で初めてジュウオウジャーによって運用されました。

ジュウオウキング 1・2・3・4・5
ジュウオウキングにエレファントとタイガーが合体したスペシャルタイプです。キューブコンドルのビーム攻撃を防御するために合体しましたが、キューブコンドルの質量攻撃で崩壊しました。映像では上半身をスーツ、下半身をCGで表現しています。

フライングテント号
ドミドルの宇宙船で、サーカス団のテントでもあります。デザインは篠原保さんが担当しました。上半分がサーカスのテント、下半分が宇宙船というデザインです。ドミドルとの合体を考慮し、古めかしいデザインになっています。

39戦隊の要素

本作品では、過去の39戦隊に関するアイテムや演出が随所に盛り込まれています。これは、監督と美術スタッフが協力して行ったもので、シリーズファンにはたまらない要素となっています。

キャスト

中尾暢樹、柳美稀、南羽翔平、渡邉剣、立石晴香、國島直希、笹野鈴々音、吉村崇（平成ノブシコブシ）、寺島進など、豪華キャストが出演。

スタッフ

監督：柴﨑貴行、脚本：香村純子、音楽：亀山耕一郎、アクション監督：福沢博文、特撮監督：佛田洋など。

音楽

主題歌は「レッツ! ジュウオウダンス」、挿入歌は「動物戦隊ジュウオウジャー」です。

映像ソフト化

Blu-rayとDVDでリリースされており、コレクターズパックにはメイキング映像や舞台挨拶映像などが収録されています。



本作品は、ジュウオウジャーの新たな魅力を引き出した、ファン必見の作品となっています。

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