劉璋

劉璋の生涯とその時代背景

劉璋（りゅうしょう）は、後漢末期に活躍した武将であり、劉焉の子として知られています。彼は荊州江夏郡竟陵県に生まれ、字は季玉と呼ばれました。劉璋の父、劉焉は益州牧として有名ですが、彼自身の運命もまた波乱に満ちたものでした。

若き日の劉璋と奉仕の時代

劉璋は若い頃、長兄の劉範や次兄の劉誕と共に長安の献帝に仕官していました。皇帝献帝は、劉焉の行動を抑制すべく劉璋を益州に派遣しましたが、劉焉はその指示を無視し、劉璋を長安に戻さない決定をしました。このような環境の中で、劉璋は困難な状況に直面しながら成長しました。

益州刺史への任命と内乱

興平元年（194年）、劉璋は父の病死に伴い、州内の大吏たちによって益州刺史に任命されました。彼は坊主（監軍使者）として朝廷から特命を受けましたが、政権が混乱している中での権力の掌握には多くの苦難が伴いました。建安5年（200年）には、叛乱者に対する示威として、張魯の弟を誅殺しましたが、この行動は彼にとって孤立を招く要因ともなりました。

劉璋と趙韙の対立

この頃、劉璋と中郎将の趙韙の間には感情的な対立が存在しました。趙韙は劉璋の指示を受けたものの、その政令が行き届かず、民衆の不満が高まる中で、彼は反旗を翻しました。反乱は急速に広がり、東州兵が民衆の不満を鎮められない中、劉璋は自ら籠城を余儀なくされました。しかし、彼の奮戦により趙韙の軍勢は撃退され、内乱は一時幕を下ろしました。

劉備の台頭と敗北

やがて、曹操が荊州を制圧し、劉璋は彼に臣従しましたが、その後、劉備が益州に入ることを許可しました。これは劉璋にとって大きな誤算であり、彼の重臣らが次々に劉備に接近する中で、劉璋は動きが取れずに苦しむこととなります。張松が劉備と内通していたことが明らかになると、劉璋は彼を処刑し、劉備との対立を深めます。

降伏とその後

建安19年（214年）、劉備から降伏を勧告されたとき、劉璋は「民を苦しめたくない」という思いから降伏を決断しました。この決断は、彼の穏健な性格を反映しており、彼自身の運命を厳しく輪郭づけるものとなりました。その後、劉璋は劉備の命令で荊州に移され、長男の劉循は劉備に仕官しました。さらに、彼の降伏後、関羽が殺されたことで荊州が落ち、劉璋は再び戦乱に巻き込まれることとなります。

死と評価

建安24年12月（220年初頭）の間に劉璋は病死しました。著名な歴史家、陳寿は劉璋について、「彼は英雄としての資質に欠け、土地や官位を奪われたのは不幸ではない」と厳しい評価を下しました。劉璋の生涯は、権力争いの中で多くの苦難に耐えたものですが、その結果、彼は歴史の表舞台から消えていくこととなりました。

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