力 (タロット)

力（ちから）カードの概要

「力」は、タロットの大アルカナに含まれる重要なカードの一つです。このカードは、強さや意志の力を象徴しています。英語では「Strength」と呼ばれ、かつては「Fortitude」という名称も使われていました。このカードはしばしば「剛毅」や「力量」とも呼ばれ、厳しい状況においても冷静さを保ち、内なる力を引き出す重要なメッセージを持っています。

カード番号とその由来

「力」のカードは、マルセイユ版などの伝統的なデッキにおいては「11」として示されます。しかし、アーサー・エドワード・ウェイトのデッキでは、占星術との関連から「正義」とカード番号が入れ替わり「8」とされています。このため、現在では二種類のデッキが存在し、研究者たちの間でも議論が続いています。

前後のカードとの関係

• - マルセイユ版では、前に「10 運命の輪」、次に「12 吊された男」があります。
• - ウェイト版では、前に「7 戦車」、次に「9 隠者」が配置されています。

カードの意味

正位置の解釈

「力」のカードが正位置で現れた場合、その意味は非常にポジティブです。強固な意志や不屈の精神、理性や自制心を持ち、物事に対して実行力を示すことが重要です。このカードが示すのは、内なる勇気や冷静さ、持久力、そして成熟した自己理解を意味します。また、慈愛や崇高な愛についても言及され、他者に対して優しさをもって接することの重要性を知らせています。

逆位置の解釈

逆位置になると「力」のカードは、甘えや無気力、人任せといったネガティブな側面を示すことになります。優柔不断や自己評価の低さ、さらには権勢を振るう行動などが表れることも。正位置の持つ力強さが失われ、内面的な葛藤が表面化します。

占星術との関連

「力」は、いくつかの占星術的な解釈を持っています。主な説には、白羊宮（牡羊座）や獅子宮（獅子座）との関係があり、一部では宝瓶宮（水瓶座）や特定の惑星、特に太陽や金星、火星とも関連付けられています。

カードのデザインと象徴

「力」のカードには、女性がライオンの口を押さえている姿が描かれています。この女性は、力強さと冷静さを象徴し、無意識の動物的本能であるライオンと向き合っていると解釈されます。女性の頭上には∞のマークがあり、無限の可能性を示唆しています。また、彼女自身の神性に気づいている様子が表れています。

ライオンは本能を象徴し、女性がその口に手を向けることで、感情や本能との調和を図っていると解釈できます。これは、自己の内面と向き合うことの重要性を伝えています。一部の解釈では、女性がライオンの口を閉じさせようとしているのか、開かせようとしているのかといった意見が分かれることもあります。

まとめ

「力」のカードは、内なる強さや理性、自己理解を高めるための重要な教訓を提供しています。自我と本能との関係をより深く理解することで、個人の成長や人間関係においても大きな影響を与えるカードと言えるでしょう。

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