力道山 (映画)

映画『力道山』

『力道山』（りきどうざん）は、日本と韓国の共同制作による映画で、プロレスラー力道山の人生に焦点を当てています。韓国では2004年12月に公開され、日本では2006年3月から全国で上映されました。これまでにも力道山をテーマにした伝記映画は存在しましたが、今作は彼の朝鮮人としての側面を特に強調しています。

力道山の役を演じたのはソル・ギョングで、彼は日本語のセリフが多いにもかかわらず、演技に際して日本語を自主的に学び、その情熱を存分に発揮しました。この映画には多くの現役日本人プロレスラーも出演しており、彼らの存在が作品に一層のリアリティを与えています。

本作のキャッチコピーは「日本人がいちばん 力道山を知らない」とされ、これは力道山の存在がどのように捉えられているのか、新たな視点を提示するものです。映画の内容は、力道山の成功とそれに伴う暗い側面、さらには暴力的な一面などを反映し、観客に様々な感情を呼び起こすことを目的としています。

あらすじ

映画の詳細なあらすじは、力道山の激動の人生を通して、彼がどのようにプロレス界で名を馳せたのかを描いています。力道山の成長と挫折、さらには彼の人間味に溢れたエピソードが巧みに織り込まれており、視聴者は彼のキャラクターに共感を覚えることでしょう。

キャストとスタッフ

主なキャストには、力道山役のソル・ギョングのほかに、綾役の中谷美紀、吉町譲役の萩原聖人、沖浜子役の鈴木砂羽などがいます。スタッフには、監督のソン・ヘウンを始め、プロデューサーのチャ・スンジェ、河井信哉の名が挙げられています。また、制作はサイダスFNH、配給はソニー・ピクチャーズが担当しています。上映時間は149分というボリュームある作品です。

製作の背景

この映画は力道山の家族や団体から直接の関与を受けておらず、力道山の実子であるプロレスリング・ノア副社長、百田光雄の協力のもとに完成しています。興味深いことに、日本の有名プロレスラーたちも端役で出演しており、当時のプロレスファンにはたまらない要素が詰まっています。

中谷美紀が演じる綾は、百田兄弟の母親ではなく、力道山の内縁の妻にあたる芸者がモデルとなっています。この映画にはジャイアント馬場やアントニオ猪木といった大物レスラーは登場しない代わりに、若手選手たちの起用によって新たな世代の視点が加わっています。

プロレスの演出

プロレスのシーンでは、従来の地味なグラウンドの攻防ではなく、派手で劇的な技の数々が展開され、現代のファンにも受け入れられるスタイルに仕上げられています。この点については、力道山の時代には存在しなかった技を取り入れるなど、意欲的な試みがなされています。

エピソード

映画の製作が行われた直後には、橋本真也の死去という悲しい出来事があり、この作品が彼の遺作ともなっています。また、提供されたフィクションやリアルな演出のために、関係者には大きな影響を与えました。日本上映時には「事実と異なる場合がある」というテロップが表示され、観客に対して作品内容を客観的に捉えさせる工夫も見られました。

このように、『力道山』はプロレス界の象徴的な人物を紐解くだけでなく、彼を取り巻く様々な人々や文化的背景を視聴者に伝える、非常に意味深い作品に仕上がっています。

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