加古川市立総合体育館

兵庫県加古川市に位置する加古川市立総合体育館は、広大な加古川運動公園の中に設けられた、地域最大級の屋内スポーツ施設である。PFI（プライベート・ファイナンス・イニシアティブ）方式による事業として整備が進められ、2005年4月に利用が開始された。施設の運営は株式会社加古川運動公園市民スポーツサービスが担っており、2009年からは神鋼不動産株式会社などが指定管理者としてその管理運営に当たっている。開設以降、多くの市民に利用されており、2009年度には年間利用者数が12万人を超えるなど、地域のスポーツ振興および健康増進の拠点としての役割を果たしている。

施設の中核となるのは、2,600平方メートルの広さを誇るスポーツアリーナである。この広さは縦65メートル、横40メートルに相当し、バレーボールコート3面分の確保が可能となるなど、多様な競技に対応できる設計となっている。観客席は固定席として1,800席が設けられており、各種大会やイベント開催時には多くの観衆を収容することができる。スポーツアリーナに加えて、1,200平方メートル（縦40メートル、横30メートル）のコミュニティアリーナも設置されており、より小規模なイベントや練習に利用されている。

さらに、来館者の体力向上や健康維持を目的としたトレーニングジム、市民活動の場となる市民クラブルーム、小さなお子様連れでも安心して利用できるキッズルーム、会議や講習などに利用できる研修室といった付帯施設も充実している。館内には全長250メートルのランニングコースも整備されており、天候を気にすることなくランニングやウォーキングを楽しむことができる。敷地内には約500台分の駐車場が完備されており、車での来館者にも配慮されている。

加古川市立総合体育館は、その優れた施設機能から、様々なレベルの大会やイベントの会場として選ばれている。特に、2006年に兵庫県で開催された国民体育大会「のじぎく兵庫国体」においては、バレーボール競技とハンドボール競技の公式会場として使用された実績を持つ。また、プロスポーツチームのホームゲーム開催にも利用されており、バスケットボールのB.LEAGUEに所属する神戸ストークスや、バレーボールのV.LEAGUE所属チームであるJTマーヴェラスがホームゲームを開催している。過去には、同じくV.LEAGUEの強豪である久光スプリングスや、かつて日本バスケットボールリーグに所属していたパナソニックトライアンズも当体育館でホームゲームを行っていた。ボクシング競技においても利用されており、2006年には全日本女子アマチュアボクシング選手権大会の会場となったほか、毎年9月にはオープン大会である「アサヒチャレンジグローブ」が開催されるなど、幅広い競技のイベントに利用されている。

加古川運動公園内には、総合体育館の他にも加古川運動公園陸上競技場といったスポーツ施設が整備されており、公園全体が市民のスポーツ活動の中心地となっている。公共交通機関を利用する場合、JR神戸線の加古川駅または宝殿駅からバスに乗車し、「西脇」バス停で下車後、徒歩約15分でアクセス可能である。このように、加古川市立総合体育館は、市民の日常的なスポーツ利用から全国レベルの大会開催まで、多岐にわたるニーズに応える地域スポーツの要衝として機能している。

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