加瀬竜哉

加瀬竜哉（かせ たつや、1964年10月13日 - 2012年1月24日）は、日本の音楽アーティストであり、多岐にわたる活動を展開した人物です。東京都渋谷区で生まれ、高校時代に多重録音とロックミュージックに魅了され、ジャンルや楽器、形式にとらわれない自由な音楽制作スタイルを確立しました。マルチプレイヤーとしての才能を発揮し、作曲家、演奏家、プロデューサー、エンジニアなど、音楽に関わる様々な分野で才能を開花させました。

1990年にゲームソフトで作曲家としてデビュー。その後、数多くのセッションやスタジオワークを経験し、1993年には初のソロアルバム「SISTER LEESA」を発表しました。1990年代後半からは、アニメタル、虹伝説、MITSUOなど、複数のバンドで複数のパートを同時に演奏する卓越した技術を披露しました。

21世紀に入ると、多くのロックバンドが利用するbazooka-studioと契約し、レコーディングエンジニア、マスタリングエンジニアとしての活動を本格的に開始しました。演奏活動と並行して数多くの作品制作に携わり、年間最大で約300枚ものCD制作に関与しました。また、音楽プロデューサーとしても、様々なアーティストの制作をサポートしました。

2005年には、それまで取り組んでこなかった「歌う」という分野にも挑戦。2006年には自身のレーベル「1964records」を設立し、女性シンガー5人を集めたコンピレーションアルバム「flowers」をプロデュースしました。FM NACK5でのレギュラー番組や全国規模のプロモーションツアーも実施し、音楽シーンに新たな風を吹き込みました。その後、「flowers」にも収録された女性シンガー、サヤカとのユニット「サヤカimpossible」を結成し、プロデューサー兼メンバーとしてアルバム「nude」を発表しました。

加瀬竜哉は音楽活動以外にも、独自の視点に基づいたコラム執筆も行っていました。自身の公式サイト「加瀬竜哉.com」では、音楽情報だけでなく、F1やモータースポーツに関するコラム「no race, no life」を執筆し、その熱い語り口で多くのファンを魅了しました。また、「no river, no life」というコンテンツでは、東京オリンピックを機に暗渠化された都市河川を取り上げ、自身のライブでは童謡「春の小川」を歌い、その歴史を語るなど、ユニークな活動も展開しました。

2008年にはNHKのテレビ番組「熱中時間」に「暗渠熱中人」として出演し、暗渠となった渋谷川で「春の小川」を歌うという、型破りなパフォーマンスを披露し話題を呼びました。その他、bazooka-studioのインターネットラジオでパーソナリティを務めたり、音楽試聴サイトaudioleafでコラムニストとしても活躍しました。2009年からは、F1専門誌STINGERでコラム「My F1 Talk」を連載するなど、多岐にわたる才能を発揮しました。

2012年1月24日、加瀬竜哉は47歳という若さで急逝しました。闘病生活を送りながらも、最後まで音楽制作に情熱を注ぎ続けました。死の直前まで仕事を続け、まさに倒れるまで音楽に生きた人生でした。

加瀬竜哉の音楽に対する情熱と、多岐にわたる活動は、多くの人々に影響を与え、今もなお、その功績は語り継がれています。彼の残した作品は、今も多くの人々に愛され続けています。

ディスコグラフィー
DANTE『IN THE LOST PARADISE』（1991年）
柴田直人プロジェクト『パーフェクトセレクション コナミ・シューティング・バトル』（1993年）
練馬絶叫倶楽部『壱』（1997年）
虹伝説『虹を継ぐ覇者』（1998年）

インターネットラジオ
* radio-bazooka

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