加藤匡夫

加藤匡夫（かとう ただお）は、1916年に東京で生まれ、1996年に没した日本の外交官です。東京高等学校を経て、1937年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。彼は、戦後の日本の外交において、重要な役割を果たしました。

1948年に連絡調整中央事務局連絡調整官としてキャリアをスタートさせ、その後、通商産業省（現在の経済産業省）で通商局市場第二課長を務めました。1955年には外務省に移り、経済局第四課長、第一課長、外務参事官を歴任しました。1959年からは在アメリカ合衆国日本国大使館参事官として、日米関係の強化に尽力しました。

1963年に外務省経済局次長、1966年には同局長に昇進し、日本の経済外交を牽引しました。1967年には経済協力開発機構（OECD）日本政府代表部特命全権大使に任命され、国際的な舞台で活躍しました。その後、1970年には駐メキシコ特命全権大使、1971年には兼任で駐ハイティ特命全権大使を務めました。1974年には国際連合世界食糧会議、1975年には国際連合工業開発機関総会に日本政府代表として参加し、国際協力にも貢献しました。

1975年に外務省を依願退官した後も、外務大臣官房審議官として政府に関与し続けました。同年には駐連合王国特命全権大使に任命され、日英関係の発展に尽力しました。1980年には国際連合工業開発機関総会日本政府代表を務め、1985年には経済審議会委員に就任しました。また、住友金属工業顧問、日英協会理事長、サントリー顧問、日英賢人会議（日英2000年委員会）日本側座長、北アイルランド工業開発庁顧問など、数多くの要職を歴任しました。1988年には、その功績が認められ、大英帝国名誉騎士勲章と勲一等瑞宝章を受章しました。1996年には正三位に叙されました。

加藤匡夫は、その卓越した外交手腕と国際的な視野で、日本の外交に大きな足跡を残しました。彼は、戦後日本の復興と国際社会への復帰に貢献し、日本の国際的地位の向上に尽力しました。また、経済協力や日英関係の強化にも大きく貢献し、その功績は今日でも高く評価されています。

著書に『遣英三たび : 外交官つれづれ草』（筑摩書房、1988年）があります。

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