加藤吉治郎

加藤吉治郎：メディアとエンターテインメントの多才な創造者

加藤吉治郎氏は、1947年1月生まれの、日本のラジオ番組・テレビ番組制作ディレクター、作曲家、音楽プロデューサー、著作家、メディアコーディネーター、そして実業家です。滋賀県米原市出身で、生家はまんじゅう店を営んでいました。彦根東高校、関西学院大学卒業後、中部日本放送（CBC）に入社。

CBC在籍中は、ラジオ番組ディレクターとして活躍し、1974年には担当番組『ばつぐんジョッキー』で、中日ドラゴンズの応援歌『燃えよドラゴンズ！』の制作・リリースに携わりました。山本正之氏作詞作曲、板東英二氏歌唱によるこの曲は、大ヒットを記録し、現在も中日ドラゴンズを象徴する楽曲として親しまれています。

1980年代には、テレビ番組『ぱろぱろエブリデイ』のチーフディレクターとして、夕方の番組編成に革新をもたらしました。アニメ再放送が主流だった時間帯に新たな風を吹き込み、この番組から「なめ猫ブーム」も巻き起こすなど、大きな影響を与えました。

CBC退職後も、メディアコーディネーターとして精力的に活動。制作会社WINを設立・運営した後、1996年にはオフィスきちじろうを設立し、代表を務めています。同社ではテレビ番組制作のほか、『燃えよドラゴンズ！』の著作権管理、新作CDの発売なども手掛けています。さらに、山本正之氏率いる山本正之なごやオフィスの社長や、放送批評懇談会会員も務めるなど、多方面で活躍しています。

加藤氏は、上岡龍太郎氏との深いつながりでも知られています。CBC時代からの親交を深め、テレビ番組制作や独演会の演出などにも携わりました。1995年には上岡氏に弟子入りし、「弟子吉治郎」を名乗り、上岡氏との共著を複数出版しました。上岡氏のNHK『日本の話芸』で語られた「海辺にて」の原作も、加藤氏が手掛けたものです。

また、立川談志氏とも親交があり、談志氏没後には『立川談志 鬼不動 天空のネタ下ろし』を刊行。松坂屋名古屋店の「松坂屋寄席」にも関わっていました。

加藤氏の活動は多岐に渡り、音楽制作では『燃えよドラゴンズ！』シリーズの企画・プロデュース、『ガッツだ!!ドラゴンズ』シリーズの作曲を手掛け、CM制作にも参加するなど、エンターテインメント業界に多大な貢献を果たしています。

さらに、著書も多数執筆しており、上岡龍太郎氏との共著に加え、自身の名義、または「弟子吉治郎」名義で、まんじゅう、ラジオ、東日本大震災、テレビ業界など、多様なテーマの作品を発表しています。これらの作品は書籍のみならず、電子書籍でも広く読まれています。

加藤吉治郎氏は、ラジオからテレビ、音楽、出版と、多彩なメディアを横断しながら、常に創造的で革新的な活動を続けている稀有な存在と言えるでしょう。その活動は、日本のメディア史に大きな足跡を残しています。

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