加藤多喜雄

加藤多喜雄は、1903年2月12日に千葉県夷隅郡大多喜町で生まれ、1991年4月19日に亡くなった日本の化学者です。東北大学の名誉教授であり、理学博士の学位を持っていました。加藤多喜雄は、科学者として知られる加藤四兄弟の長男であり、弟には地球物理学者の加藤愛雄、生物学者の加藤陸奥雄、地質学者の加藤磐雄がいます。また、孫には数学者の加藤文元がいます。

加藤多喜雄は、旧制仙台一中、旧制二高を経て、1926年に東北帝国大学理学部化学科を卒業しました。1935年には、学位論文「アルカリ金属の研究」で東北帝国大学より理学博士の学位を取得しました。その後、同大学の助手を経て、1929年に東京工業大学の助教授に就任しました。1944年には東北大学工学部の教授となり、1945年からは東北大学非水溶液化学研究所の教授を兼務しました。1962年から1965年まで工学部長も務め、1966年に定年退官し、名誉教授の称号を受けました。

加藤多喜雄は、研究活動に加えて、社会貢献活動にも積極的に取り組みました。1977年には仙台市名誉市民に選ばれました。仙台市公害対策審議会長などを務め、市の健康都市づくりを推進しました。また、宮城県自然環境保全審議会長として、県内の自然環境の調査保全にも尽力しました。さらに、仙台市野草園や仙台市科学館の前身であるサイエンスルームの立ち上げにも尽力し、初代科学館長を務めました。

加藤多喜雄は、研究者として数多くの著書も残しています。

主な著書は以下の通りです。

『無機工業分析』　日刊工業新聞社　1964年
『水質分析と試薬：工業用水の試験方法JIS K 0101 (1957)の横観』　ケミカルタイムス社　1957年
* 『私たちの化学：少年少女と母のために』　東南書房　1948年

加藤多喜雄は、化学の研究だけでなく、環境問題や教育にも深く関わり、多方面で社会に貢献した人物でした。

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